▼参考資料・キネマ旬報1948年ベストテン
①ヘンリー五世…ローレンス・オリヴィエ
②我等の生涯の最良の年…ウィリアム・ワイラー
③逢びき…デヴィッド・リーン
④海の牙…ルネ・クレマン
⑤旅路の果て…ジュリアン・デュヴィヴィエ
⑥美女と野獣…ジャン・コクトー
⑦悪魔が夜来る…マルセル・カルネ
⑧失われた週末…ビリー・ワイルダー
⑨オヴァランダース…ハリー・ワット
⑩悲恋…ジャン・ドラノワ&ジャン・コクトー
⑪毒薬と老嬢…フランク・キャプラ
⑫ミネソタの娘…ヘンリー・C・ポッター
⑬シベリヤ物語…イワン・プイリエフ
⑭剃刀の刃…エドマンド・グールディング
⑮五番街の出来事…ロイ・デル・ルース
⑯ゾラの生涯…ウィリアム・ディターレ
⑯カルメン…クリスチャン・ジャック
⑯ボストン物語…ジョセフ・L・マンキーウィッツ
⑯ラッキーパートナー…ルイス・マイルストン
⑳イワン雷帝…セルゲイ・M・エイゼンシュティン
⑳旧友…ヴィンセント・シャーマン
⑳三十四丁目の奇蹟…ジョージ・シートン
この年からヨーロッパ映画の輸入が解禁となり、イギリス映画、フランス映画の名作が一斉に公開されました。
特にナチ占領下のフランスにおいて、ファンタジーでカモフラジューされた反ナチレジスタンス作品『悪魔が夜来る』
が作られていたことに驚きを隠せません。ペシミズムが基調であるカルネ監督としては異質の作品のように
見受けられますが、ナチの厳しい検閲に命がけの抵抗を試みたことを考慮すれば高く評価せざるを得ません。
他にも自己の芸術的イメージをファンタスティックに映像化したコクトーの『美女と野獣』、ルネ・クレマンによる
緊迫したサスペンスの『海の牙』など優れた作品群が公開されました。
芸術の香り豊かなヨーロッパ作品とハリウッド映画の質の違いを見せつけられた一年となりました。

↑はマルセル・カルネ監督の『悪魔が夜来る』