外国映画主要作品日本公開史 * 1949年公開 (その2)
▼参考資料・キネマ旬報1949年ベストテン
①戦火のかなた…ロベルト・ロセリーニ
②大いなる幻影…ジャン・ルノワール
③ママの想い出…ジョージ・スティーヴンス
④ハムレット…ローレンス・オリヴィエ
⑤裸の町…ジュールズ・ダッシン
⑥平和に生きる…ルイジ・ザンパ
⑦恐るべき親達…ジャン・コクトー
⑧黄金…ジョン・ヒューストン
⑨仔鹿物語…クラレンス・ブラウン
⑩犯罪河岸…アンリ・ジョルジュ・クルーゾー
⑪暴力行為…フレッド・ジンネマン
⑫バラ色の人生…ジャン・フォレヅ
⑬しのび泣き…ジャン・ドラノワ
⑭愉快な家族…ウォルター・ラング
⑮愛の調べ…クラレンス・ブラウン
⑮ミニヴァー夫人…ウィリアム・ワイラー
⑰ニノチカ…エルンスト・ルビッチ
⑱らせん階段…ロバート・シオドマーク
⑲果てなき船路…ジョン・フォード
⑲北ホテル…マルセル・カルネ
⑲乱闘街…チャールズ・クライントン
この年、イタリアン・リアリズムが登場しました。ハリウッドが華麗で夢物語的な完全娯楽作品を量産する一方で、
戦禍にまみれ廃墟と化した祖国の恥部ともいえる現実を冷淡に直視したリアリズムで描かれたイタリア作品が
公開され始めます。単純なペシミズムとは一線を画する悲劇の実録であり、映像が時代の証人となりました。
ここにイタリアン・リアリズム映画の誕生です。これは世界映画史上最大の衝撃となり、真の映画作家たちが
映画の使命を再認識して、さらなるリアリズム芸術の追求が加速していきます。
この年封切られた『戦火のかなた』『平和に生きる』がその歴史的な先陣となりました。
↑ロベルト・ロセリーニ監督の『戦火のかなた』