外国映画主要作品日本公開史 * 1954年公開 (その2)
▼参考資料・キネマ旬報1954年ベストテン
①嘆きのテレーズ…マルセル・カルネ
②恐怖の報酬…アンリ・ジョルジュ・クルーゾー
③ロミオとジュリエット…レナート・カステラーニ
④波止場…エリア・カザン
⑤エヴェレスト征服…英国山岳会 (ハント大佐)
⑥ローマの休日…ウィリアム・ワイラー
⑦裁きは終りぬ…アンドレ・カイヤット
⑧陽気なドンカミロ…ジュリアン・デュヴィヴィエ
⑨しのび逢い…ルネ・クレマン
⑩偽りの花園…ウィリアム・ワイラー
⑪裸足の伯爵夫人…ジョセフ・L・マンキーウィッツ
⑫狂熱の孤独…イヴ・アレグレ
⑬第17捕虜収容所…ビリー・ワイルダー
⑭青い麦…クロード・オータン・ララ
⑮アスファルトジャングル…ジョン・ヒューストン
⑯夜ごとの美女…ルネ・クレール
⑯アンリエットの巴里祭…ジュリアン・デュヴィヴィエ
⑱愛情の瞬間…ジャン・ドラノワ
⑲悪魔をやっつけろ…ジョン・ヒューストン
⑲バンドワゴン…ヴィンセント・ミネリ
この年もフランス映画の名作が話題になりました。
カルネの『嘆きのテレーズ』は以前のカルネに見受けられていたペシミズムの中に垣間見えていたロマンチシズムが
完全に押し殺され、全編鋭いリアリズムにより貫かれた運命的心理的サスペンスの傑作となりました。
これに比してクルーゾーの『恐怖の報酬』は一触即発の危険と背中合わせの直球型サスペンスの神髄でした。
ヘップバーン主演のワイラー作品『ローマの休日』が大衆の絶大な支持を集めました。個人的には好みの作品では
あるのですが、他にも多数の優秀な作品がありましたので、この年のベストテンには入れておりません。
また『波止場』が好評化を受けていますが、この時点ではまだエリア・カザンの正体を知らなかったためかと思われます。
↑はマルセル・カルネ監督の『嘆きのテレーズ』