経堂めぐみ教会

日曜礼拝のメッセージ動画です。

3月21日礼拝

2021-03-22 13:16:03 | 礼拝
マタイの福音書26章57~66節,27章15~26節 「不正な裁判」

 主を十字架刑にするためにユダヤ側とローマ側とで合わせて6回の裁判が行われました。しかしそれらの裁判は非常にいい加減なものでした。捕らえられたイエスは、大祭司カヤパの邸宅に連れていかれ、真夜中にもかかわらず、早速、裁判が始まりました。この裁判は最初から死刑にすることを目的とした不正なものでした。祭司長たちと議会はイエスを死刑にするために、不利な偽りの証言を得ようとしました。多くの偽りの証人が出てきましたが、結局、決定的な証拠はつかめませんでした。最後に二人の者が、イエスが「わたしは神の神殿を壊して、それを三日で立て直すことができる」と言ったと証言しました。大祭司は自らこの訴えを取り上げて尋問します。しかし、イエスは何も答えませんでした。主の沈黙に業を煮やしたのか、大祭司はイエスに、生ける神を盾に、「おまえは神の子キリストなのか、答えよ。」と尋問します。主は沈黙を破って口を開かれました。ご自分がメシアであることを肯定しただけでなく、やがて彼が神の右に座し、栄光の雲に乗って審判者として来ると言われたのです。大祭司は衣を引き裂き、これ以上の神への冒涜はないと怒り叫び議員たちを扇動しました。議員たちは、「彼は死に値する」と言って、その顔に唾を吐きかけたり、こぶしや平手でイエスを打ったりして辱しめました。

 さて、夜が明けると、ユダヤ人の指導者たちは正式に議会を開いて、イエスを死刑にするために協議しました。そして、イエス様を縛ってローマ総督ピラトのもとに連れていきました。当時ユダヤ地方はローマ帝国に支配されていましたので、死刑を執行する権限はローマの地方総督が握っていました。そのため、ユダヤ人の指導者たちは、議会においてイエスの死刑を正式に決議し、それに基づいてピラトに告訴したのです。イエスは総督ピラトの前に立たれました。ピラトは「あなたはユダヤ人の王なのか。」と尋ねると、イエス様は「あなたがそう言っています。」とお答えになりました。しかし、ユダヤの指導者たちが訴えている間は、どんな質問に対しても、イエスは沈黙を守って一切答えようとしませんでした。ピラトは、そんな毅然たる態度に非常に驚き、イエスの無罪を直感したようです。彼には政治的な罪はなく、祭司長たちが妬んで、死刑にしたがっていることに気づいていました。そこで、ピラトは一つの提案をします。過越しの祭りの時は、ユダヤ人が望む囚人を一人釈放する習慣があったので、(17)「おまえたちはだれを釈放してほしいのか。バラバ・イエスか、それともキリストと呼ばれているイエスか。」と問いかけました。バラバは、当時名の知れた暴動と殺人を犯した凶悪犯であったので、まさかバラバを選ぶことはないだろう、イエスの釈放を求めるだろうとピラトは考えていたのです。ところが指導者たちにそそのかされた群衆は、興奮状態で「バラバだ」と叫びました。耳を疑ったピラトは、(22)「では、キリストと呼ばれているイエスを私はどのようにしようか。」と聞くと、ユダヤ人たちはみな「十字架につけろ。」と叫びだしました。(23)「あの人がどんな悪いことをしたのか。」と説得しようとしても、人々は聞く耳を持たず、ますます激しく「十字架につけろ。」と叫び続けました。ピラトは自分の立場や地位が危険に及ぶと感じて、彼らの要求に応じてしまったのです。ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから十字架につけるために引き渡しました。ピラトは自分の地位の安全を図るために、イエスが無罪であると知りながら、無罪の判決を下さすことができなかったのです。ここに私たち人間の弱さが如実に表されています。処刑されるはずだった囚人バラバが釈放されて、無罪のイエスが処刑されることになりました。イエス様は、罪がないお方でしたが、罪ある者となられ、罪人である私たちの身代わりとなって十字架にかかり死んでくださいました。私たちは誰のために生きるでしょうか。身代わりとなった主のために生きる者とさせてください。(ガラテヤ2:19~20)

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