インポテンツ

　お客さんとの性生活の会話の中で”E.T”の言葉を耳にした。

　私　「E.Tて、性生活の話になんで異星人が出てくるんや」
　お客「俺が言うたんはE.Tと違(チゴ)てE.Dや」
　私　「ああ、E.Dか。たまに聞くけど一体何やねん？」
　お客「エレクトル・ディスファンクションの略で勃起障害のことを言うねん」
　私　「つまりインポテンツのことか？」
　お客「そうや、マスターのことや」
　私　「なんで知ってんねん」
　お客「この店のインポ・テンチョ(店長)やろ」
　私　「お、うまいやん。いーでー(E.D)」

　一句：バイアグラ　インポによく効く　インポート(輸入品)

焼き鳥屋

　焼き鳥屋からの帰りの客が来た。その店は初めて入った店だったとか。
　
　お客「焼き鳥食うて来たけどマズかったわ」
　私　「2本ぐらい食うてマズかったらその店を出て、他の店に行ったらよかったのに」
　お客「それが、いっぺんに10本も注文したから、直ぐに帰られへんかってん」
　私　「鳥だけに、とり過ぎやなあ。そら直ぐに帰られへんわ。その店は忙しいんか？」
　お客「店の客は他に1人だけやったわ」
　私　「マズイ店はお客がいてへんねん」
　お客「ほんだらこの店も？」
　私　「痛いとこツクネ」
　お客「食いツクネ。言うと思たわ」
　私　「鳥だけにチキンと返すなあ」
　お客「マスター、面白いやん。手放し(手羽なし)で褒めたるわ」
　私　「おだてるのんは、もうエエってば(手羽)」

　一句：とりどりの　ダジャレをアテに　酒を飲む

シャツの裾

　店で「マスターはコナミ(スポーツジム)で浮気してる」とか、「ヨーカドーで彼女と歩いているところを見たで」「ママと営みがないのは他にエエ女がいてるからやで」と、よからぬデマを言うお客さんがいる。
　その影響なのか、近ごろ妻が私の行動に少し敏感になっている。
　今日も出かける時に妻が「アンタ、この頃何か意識してるんと違うか？」と言ってきた。
　「なんでや」と尋ねると、「前に私がポロシャツの裾をGパンの外に出しや、というた時に『これでエエねん』と突っぱねてたけど、最近、シャツの裾をGパンの外に出してるやん。若い子を意識してるのんと違うの」ときた。
　確かに以前はシャツの裾をGパンの外に出すのはだらしがないと思っていたが、先日、テレビで「シャツの裾をパンツの中に入れてるのはダサイ」と若い女の子が言ってた。また50代の男優がシャツの裾をパンツの外に出していたが格好よく見えた。
　私は固定観念を捨ててその男優さんに見習っただけなのに、妻は余計なデマ情報に惑わされて私を責めるのである。
　これからどうしたらいいのか、私は今、迷える子羊である。「子羊？そんな可愛いもんか！」とお叱りを受けそうなので改めます。
　私は迷える毛皮を剥がれた羊です。

　一句：シャツの裾　オシャレに出して　若返り

出世払い

　二人の男性客が来た。彼らは同じ会社の先輩と後輩。飲んで歌って、さてお勘定…

　後輩B「持ち合わせないわ。先輩、出しといて」
　先輩A「ほんだら貸しとくわ」
　後輩B「出世払いにしといてな」
　私　 「という事は、払われへんて事やろ」
　ママ 「という事は、出世が出来へんて事か？」
　先輩A「ほんだら不渡りになるがな」
　私　 「B君は不渡り出をしては奢(オゴ)ってもろてんのと違うか」
　後輩B「分かる?」
　私　 「B君は不渡り上手やな。いや、世渡り上手や」
　後輩B「甘え上手て言うてや」
　ママ 「B君はお金を残すわ」

　一句：出世払い　出世がなければ　不渡りに

酒井法子に逮捕状！

　タレントの酒井法子の夫・高相祐一が3日未明に覚醒剤取締法違反で逮捕されてから、当店では酒井法子の子連れ失踪の憶測が話題になった。
　殆んどの意見は「ショックが大きく落ち着くまで身を隠している」と「報道陣の取材攻勢から子供を守るため為」だが、一部に自殺説を唱える人もいた。
　しかし、その中の1人だけ「のりピーも覚醒剤をやってる」と異論を唱えた。しかも「覚醒剤の反応が消えるまで身を隠してるんや」「社長が関与してる」とも言って退けた。
　自称・探偵ながらいつも貧相な恰好のOさんの意見に、私達は「絶対に無い！」と否定どころか嘲笑していたが、7日の昼にテレビで『酒井法子に覚醒剤取締法違反で逮捕状』の報道があった。
　それを店で話題にした。

　私　「Oさんの言うてた通りや、すごいやん！」
　妻　「Oさんが来たら褒めんなアカンわ」
　私　「ホンマやなあ、他に褒めるところが無いからなあ」
　妻　「なんや、それ」
　お客「そやけど、のりピーが覚醒剤してたんを警察が知ってたと新聞で書いてたで」
　私　「ホンマかいな。ほんだらOさんは新聞を見て知ってたんや」
　お客「夫は大麻が大好物で毎年オランダで行われる大麻フェスティバルの常連やで」
　ママ「へえ、大麻の常習者かいな」
　私　「俺もたいまの常習者やわ」
　お客「なんでーな？」
　私　「いつもそれで起きてるねん」
　ママ「それ、タイマーやろ！」

　一句：のりピーが　法(のり)を犯して　身をかくす

ゆず

　有線で元気のいい曲が曲流れている。

　私　「元気のエエ曲やなあ。何の曲？」
　お客「夏色」
　私　「ほう、今の季節にちょうどええやん。それで誰の曲？」
　お客「ゆず」
　私　「うず？鳴門のうずやったら知ってるわ。昔、明石大橋から見た事があるで」
　お客「違うがな、うずと違(チゴ)て、ゆずやがな」
　私　「ゆず酎ハイ、のか？」
　お客「酎ハイと違う、バンドのゆずや。ワザとぼけて、もう」
　私　「ギャグ言う人は頭柔らかいから、ゆずう(融通)がきくんやで」
　お客「なんや、自分でフォローして」
　私　「スマン、ゆず(許)してね」

　一句：ゆずの曲　聞いて元気を　ゆず(譲)り受け

おばちゃん…

　若づくりのアラフォーの男性と女性のお客さんが子供の頃の話をした。そして…

　女性客「私、39になったけど、子供の頃、30代の女の人はおばちゃんやったなあ」
　男性客「そうや、俺の家の隣に30歳の人いてたけどおばちゃんと思てたわ」
　私　　「俺が中学の頃は25歳で独身やったらオールド・ミスて言うてたわ」
　女性客「私、子供心におばちゃんは化け物やと思た」
　男性客「そうそう、こっちは段々変って行くのに、おばちゃんは全然変われへん」
　私　　「そらそうや、おばちゃんは成長が止まってるし化粧でごまかしてるからな」
　女性客「私、大人になって、それが当たり前と分かったわ」
　私　　「自分も化粧するようになって化け物になってるんや」

　一句：いつのまにか　娘のつもりが　おばちゃんに

スナック芸-1

　スナック芸を教えてとお客さんが言ったので、私の得意なコインの上に瓶を斜めに立てる“ピサの斜瓶”というのを教えたがなかなかうまく立たない。

　お客「腹立つなあ、うまいこと立たんわ」
　私　「ビンを立てんと腹立てて…」
　お客「うまいこといく方法、何かないか？」
　私　「ビンにエッチ・ビデオを見せるとか、ビンをシコシコこするとビンビンに立つで」
　お客「ビンだけにビンビン…なんでやねん！そんなんで立つわけないやろ！」
　私　「ごめんごめん、しょうもないこと言うてたら、ビンた喰らうなあ」
※“ピサの斜瓶”　

　一句：ビン立ての　特訓実らず　不ビンな奴

結婚相手

　今日のお客さん、40歳になるまで独身を通し、さんざん遊んできたがそろそろ結婚を意識しだした。
　
　客K 「そろそろ身を固めたいねん」
　私　「そうか、ほんだらセメントでもこねよか？」
　客K 「違うがな、結婚をして落ち着きたいて言うてんねん。誰かエエ人いてないかなあ？」
　私　「そうかいな、どういう女性がエエのん？」
　客K 「気立てが良かったら誰でもエエわ」
　私　「そうか。ママ、Eちゃんはどうやろな？」
　ママ「Eちゃんは62歳やん。K君は40歳、せめて生理のある子を紹介したらなアカンがな」
　私　「ほんだらS子ちゃんは？まだ生理あるで」
　ママ「なんぼ生理あるいうても46歳はアカンわ。それに23歳を頭に3人も子供いてるやん」
　私　「結婚したらいきなり3人の父親！子供育てる手間省けてエエやん」
　ママ「そんな問題違うやろ、K君は初婚やで。子供産める子を世話せんな…」

　一句：初婚です　結婚相手は　子を産む娘(コ)　

若田光一さん

　宇宙飛行士の若田光一さんがおよそ4ヶ月半の宇宙長期滞在を終え、スペースシャトル「エンデバー号」に乗って地球に帰還した。
　そして自宅のある米テキサス州で帰還を祝う歓迎式典が開かれ立派にスピーチをしていた。


　妻「アンタ、若田さん帰ってきたなあ。英雄やね」
　私「若田さん、えーゆうやけど持ってるのはドコモやで」
　妻「えーゆう(AU)？おいしいとこ取るなあ」
　私「わかった(若田)？」
　妻「わからいでか」
　私「宇宙ステーションの実験棟“きぼう”で色々実験してたなあ」
　妻「“きぼう”は日本が開発したんやろ、日本の宇宙技術もかなり進んだなあ」
　私「でも訓練や宇宙往復はNASAのスペースシャトルに頼ってるやん。なさ(NASA)けない」
　妻「もう、エンデバー(ええてばー)」　

　一句：若田さん　宇宙で実験　新発見