空飛ぶクルマ、実験機がふわり トヨタ、若手技術者支援
「空飛ぶクルマ」の東京五輪での実用化をめざす若手技術者を、トヨタ自動車が支援する。手軽に空を飛べる次世代の乗り物をめぐっては、業種をまたいだ世界的な競争が起きており、日本勢も挑む。
3日午後、愛知県豊田市の山間部で実験機が垂直に2メートルほど浮いた。長さ3メートル、幅2メートル、重さ200キロ。四隅のプロペラを電気で動かす。地上を走る車輪や、人が乗るシートはまだない。
自動車や航空機業界の20〜30代の技術者ら有志約30人でつくる「CART!VATOR(カーティベーター)」が、週末に実験を重ねている。「誰でも空を飛べるようにしたい。渋滞に巻き込まれず、道がない所にも行ける」。代表の自動車エンジニア、中村翼さん(32)はそう話す。
設立は2012年。20年の東京五輪の開会式で、空飛ぶクルマを使って聖火をともすことをめざし、25年には発売したい。開発資金は、メンバーの自腹や、インターネットで広く出資を募るクラウドファンディングだけでは足りない。トヨタグループに支援を求め、4250万円出してもらえることになった。ことし5月のことだ。