メキシコ沖の地震 死者58人に 犠牲者は増えるおそれ
メキシコ沖の太平洋で日本時間の8日午後に起きた地震で、メキシコでは、これまでに少なくとも58人が死亡しました。被災地では、まだ崩れた建物の下敷きになっている人がいると見られ、犠牲者は増えるおそれがあります。
メキシコ政府によりますと、揺れの強かったメキシコ南部のオアハカ州やチアパス州などでは建物の下敷きになるなどして、これまでに少なくとも58人が死亡したということです。被災地では、まだ崩れた建物の下敷きになっている人がいると見られ、犠牲者は増えるおそれがあるということです。
メキシコのペニャニエト大統領は、地元メディアに対し、「最大規模の災害だ。緊急事態警報を出し、今後できるかぎりの対応をしていく」と述べました。
メキシコとグアテマラにある日本大使館によりますと、日本時間の午前5時現在、今回の地震で日本人が被害にあったという情報は入っていないということです。
一方、ハワイにある太平洋津波警報センターによりますと、この地震でメキシコ南部のチアパス州で高さ1メートル75センチの津波が観測されたということです。
太平洋津波警報センターは、太平洋の広い範囲で最大で高さ1メートルの津波が到達するおそれがあるとしていましたが、日本時間の午前3時半ごろ津波のおそれはほぼなくなったと発表しました。
【日本企業の被害情報なし】JETRO=日本貿易振興機構メキシコ事務所によりますと、南部のチアパス州をはじめ今回の地震で揺れが大きかった地域に進出している日本企業は数社にとどまり、今のところ被害があったという報告は受けていないということです。
メキシコには自動車関連を中心に1100社を超える日本企業が進出していますが、多くが自動車産業が盛んな中西部や北東部に集中しています。日産自動車などが工場を構える中西部アグアスカリエンテス州にある日本企業の現地工場の社長はNHKの取材に対し、「地震の揺れはほとんど感じず通常どおり生産を行っている。部品の供給網、いわゆるサプライチェーンにも影響はない」と話していました。
日本でも・・・・
秋田県で震度5強の地震発生
8日22:23頃、秋田県内陸南部を震源とするM5.3の地震があり、秋田県大仙市で震度5強の揺れを観測しました。
8日深夜に秋田県大仙市で震度5強を観測した地震の震源近くでは、大正3(1914)年に直下型の強首(こわくび)地震(秋田仙北地震)が起き、県内で死者94人、負傷者324人、住宅全壊640棟の大きな被害が出ている。
強首地震は大正3年3月15日午前5時ごろ、当時の強首村(現・大仙市)を中心に震度7を記録した。地震の規模はマグニチュード(M)7.1と推定されている。
死者のほとんどは家屋の倒壊による圧死だったとされる。雄物川川岸の強首村強首地区では全ての家屋が壊れ、全壊率は50%を超えた。
当時を知る人はいないが、被害は語り継がれ、大仙市は強首地震と同じメカニズムの大規模直下型地震の発生を想定して防災対策を行ってきた。