バリ島神の山アグン 50年ぶりに噴火か?火山性地震急増で厳重警戒続く
日本人観光客にも人気が高いインドネシア・バリ島の最高峰アグン山で火山性地震が相次ぎ、同国防災機関(BNPB)は警戒レベルを2の「警戒」から3の「スタンバイ」に引き上げた。
バリ島東部に位置するアグン山は標高3031メートルで、古来より崇拝の対象となっている「火の神が住む山」だ。1〜2世紀までに4回の噴火記録が残されており、最後の1964年3月に発生した噴火では、火砕流や溶岩流がふもとの集落を襲い、約1600人が死亡した。
インドネシア鉱物資源省によると、アグン山では今年7月以降、継続時間が比較的長い火山性地震が相次ぐようになり、今月18日には最長480秒間の地震が発生。この日一日だけで発生した火山性地震は355回にのぼり、最大規模はマグニチュード(M)3を上回った。
そこで噴火警戒レベルを2に引き上げたが、気象衛星ひまわりによる上空からの観測でも、地表温度の異常な高まりがとらえられ、19日以降も地震活動がおさまる兆候が見られないことから、「いつ噴火してもおかしくない」として、警戒レベルを3に引き上げた。
火口から7キロ以内への立ち入りを禁止し、ふもとの自治体の住民に避難準備を急ぐよう呼びかけている。周辺のカランガセム地域には、40万人以上の住民が住んでおり、万が一噴火が起これば、北部斜面と南東から南西にかけて溶岩流や火砕流が到達する可能性が高いと言う。