首都直下巨大地震・M8クラス直撃の危機が近づいている! 大地震の発生間隔に1800年もの計算ミス発覚、超ヤバい事態
元禄地震の震度分布 画像は「Wikipedia」より引用
東京など首都圏に暮らす人間にとっては、ありがたくない情報が飛び込んできた。関東南部の沖合で周期的に発生する巨大地震のうち、江戸時代の元禄地震と同じタイプの地震が、これまで国の規定では2300年間隔とされていたものが、実は約500年間隔で発生し得ることが、産業技術総合研究所(以下・産総研)などの研究によりわかったのだ。前回の元禄地震の規模はM8.2ほどだったと推定されるが、同規模の地震が現代の東京を襲えば、とてつもない被害が予測される。そこで今回は、元禄地震の再来時期や被害について考えてみたい。
■元禄地震の再来、思ったよりもずっと早い!
今回問題になっている「元禄型地震」とは、神奈川県の相模湾から千葉県の房総半島南東沖にかけての「相模トラフ」と呼ばれる地域で起きることが想定されている。西はフィリピン海プレート、東はオホーツクプレート(旧概念では北米プレート)、さらに少し北へ行くと神奈川県・静岡県・山梨県の県境付近でアムールプレート(旧概念ではユーラシアプレート)と、3つのプレートが重なり合う境界に位置する、日本で最も危険な地帯のひとつといえるだろう。
相模トラフ 画像は「Wikipedia」より引用
研究グループが、元禄地震の震源域に近い千葉県南房総市で地震の痕跡を調査したところ、これまでわかっていた海岸線の痕跡のうち3本で、隆起した年代が800~2000年新しかったことが判明。結果として、元禄地震と同タイプの地震の発生間隔が、これまでの約2300年間隔ではなく、最短で約500年間隔であることが判明したという。このタイプの地震で直近となる元禄地震は、1703年12月31日に発生し、震源は房総半島の南端から10~20km南方沖だったが、6000人以上が命を落としたという。
政府の地震調査研究推進本部では、これまで元禄型地震の発生確率を「今後30年以内で0%」、つまり起こる可能性が“ない”としてきた。しかし今回、地震発生間隔が2300年から500年に短縮されたことによって、今後は想定の大幅な見直しが必須となるだろう。
■巨大地震、火山噴火…… “大災害の連鎖”が始まっている!?
8日の記事で紹介したが、1702年に北朝鮮の白頭山が噴火した後に日本で始まった“大災害の連鎖”の一例として、元禄地震が挙げられる。18世紀の白頭山噴火の翌年から、下記のような大地震・大噴火の連鎖が発生していたのだ。
元禄地震と関東大震災の震源域比較 画像は「Wikipedia」より引用
1702年:白頭山噴火
1703年12月31日:元禄関東地震(M8.2)、関東南部に津波、死者6700人。
1705年5月24日:阿蘇山付近で地震
1707年10月28日:宝永地震(南海トラフ、M8.4~8.6)、関東~九州で津波、死者4900~2万人。
1707年10月29日:宝永富士宮地震(M7.0)
1707年12月16日:富士山宝永噴火
1708年2月13日:紀伊半島沖地震(M7クラス)
北朝鮮が繰り返す核実験が白頭山の噴火を誘発する可能性がある以上、これまで想定されていなかった元禄型地震、つまりM8クラス(最大M8.5)の巨大地震は十分に発生し得るものとして、直ちに被害想定を見直す必要がある。その際に参考にすべきは、もちろん300年前の元禄地震が江戸の街にもたらした被害である。
■元禄地震、過去の壮絶な被害
・ 家屋倒壊:関東全体で約28,000軒(後述の津波も含む)
・ 液状化現象:平塚・品川で特に深刻。一面が泥水に覆われたという。
・ 火災:小田原城下で大火。倒壊・消失家屋は約8千戸、死者は約2300名。
・ 津波:熱海で高さ7m程度、500戸ほどの人家のほとんどが流出。
・ 全体の死者数:約6700人
津波の被害だけでも相当なもので、東京湾内では本所・深川・両国で1.5m、品川・浦安で2m、横浜では3m、さらに稲毛で4mもの高さの津波に襲われたという。また、墨田川などを津波が遡上したという記録もあり、九十九里浜では内陸5kmまで津波が到達し、多数の死者が出たという。
被災者は関東全体で約37,000人と推定されている。当時の日本の人口は2,500万人ほどだったが、同規模の地震が現代の関東を襲った場合、単純に4~5倍すればよいという話では済まないだろう。複雑な構造のインフラや緻密な科学技術によって成り立っている現代の首都では、さまざまな“想定外”の事態が起こることが懸念される。具体的に、首都直下地震でどのような被害が想定されるかについては、防災の日特集で書いた記事を参考にしていただきたい。同様に首都圏の津波被害についても、すでに記事にまとめている。
■安心していると…… 死ぬ!
イメージ画像:「Thinkstock」より
では、次の首都直下地震が元禄地震タイプであるとして、それが起きるのはいつ頃になるだろうか? 今回新たに判明した500年間隔を前提に考えると、元禄地震からまだ314年しか経過しておらず、「あと150年以上は大丈夫だ」と誤解してしまいそうだ。
しかし、繰り返し起こる地震の発生間隔とは、あくまでも計算によって導き出された平均値であり、次がキッチリ500年後となるわけではない。例を挙げれば、2016年の熊本地震は、発生前まで「今後30年以内にM7程度の地震が起こる確率は、ほぼ0%~0.9%」と低く見積もられていたのだ。そのため、元禄地震の再来時期についても、大幅なズレを考慮して、「いつ起きてもおかしくない」という態度で臨むべきだ。そのような心がけこそが、あなたの大切な人と、あなた自身の命を守ることにつながるのだから。
ず~といわれ続けていますが、信じる信じないは、あなた次第ですかでか地震でか