新種のクリオネ 見つかったのは意外な場所 富山大学
富山大は12日、富山湾内の広範囲でクリオネ(ハダカカメガイ)の新種を発見したと発表した。これまでクリオネは、日本の近海においてはオホーツク海沿岸でしか確認されていなかったため、日本海で見つかったというニュースには驚きの声があがっている。
新種のクリオネは、10月初旬、富山大学理学部が野外実習時に海底から引き上げたプランクトンネットに、100匹ほど発見された。実は2016年8月の実習の際にも、「それらしいもの」がいるとの目撃があったが、個体数が少なく、特定にはいたっていなかったという。
さて2016年に、約100年ぶりに当時の新種(4種目)のクリオネ「ダルマハダカカメガイ」が発見され、ハザードラボでも取り上げたのをご存じだろうか。
→【過去記事】氷の妖精クリオネ 100年ぶりに見つかった新種は「まるでダルマ」
今回見つかった新種(5種目)のクリオネは、見た目こそ「ダルマハダカカメガイ」に似ているが、サイズは0.5〜5ミリメートル程度と小さく、既知の4種類とは遺伝的アプローチも異なっているという。 日本海固有種の可能性があり、現在、北海道蘭越(らんこし)町「貝の館」の館長でクリオネの専門家でもある山崎友資氏の元で、研究が進められている。
今後の研究では、クリオネの生態解明だけではなく、海の温暖化や酸性化が海洋生物へ及ぼす影響の評価も可能になるのではないかと期待されている。
また、わざわざ北極へ足を運ばなくても、陸地から10キロメートルほど沖へ出た日本海でクリオネを捕獲できるようになるということは、日本海をモデルに「手軽に地球規模の現象を予測できる」ことにつながるのだ。5ミリのちっちゃなクリオネを発端に、びっくりするほど大きな謎が解明されるかもしれない。
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