政府は2019年10月に行うことを検討している皇太子さまの即位の礼に合わせ、記念硬貨を発行する検討に入った。19年は、天皇陛下の在位30年となる1月や4月末の退位で別途、記念硬貨を発行することも想定している。即位の礼で発行するのは、1万円金貨と500円ニッケル黄銅貨。一連の日程が決まり次第、詳細な検討に入る。

 1990年11月に行われた現在の陛下の即位の礼では、10万円金貨200万枚と500円白銅貨3000万枚の2種類を発行した。金貨は表に鳳凰(ほうおう)と瑞雲(ずいうん)、裏に菊の紋章と桐(きり)、唐草が描かれ、白銅貨の図柄は皇室パレードで使われる特別御料儀装車が施された。高額面の金貨を巡っては、86、87両年に発行した昭和天皇在位60年記念10万円金貨で偽造事件が起きたこともあり、現在は1万円以下に価格を抑えた発行が主流となっている。

 政府はこれまでも皇室行事に合わせて記念硬貨を発行しており、現在の陛下の在位10年と20年でも製造した。19年1月の在位30年でも検討する。4月30日の退位に合わせた発行も視野に入れる。

 在位20年の記念硬貨デザインは日本画家の平山郁夫氏が監修した。皇太子さまの即位をはじめとする今後の記念硬貨でも国内の画家らのデザインが採用される可能性が高い。

 政府はすでに東京五輪の記念硬貨を18年11月から開幕直前の20年7月ごろまで4回に分けて発行することを決定。18年10月の明治150年の記念硬貨発行の検討も表明している。初の日本開催となる19年9月開幕のラグビー・ワールドカップ(W杯)の記念硬貨も検討している。18年秋から20年にかけては記念硬貨の発行が続くことになりそうだ。