昨年マイホームを購入したり、医療費がたくさんかかったりした方は、そろそろ確定申告の準備をしましょう。自営業者などが行う確定申告は2月16日からですが、会社員の方などが税金を取り戻すために行う還付申告は、すでに受け付けがスタートしているからです。
私は毎年、3月15日の最終日に申告していますが、15日ともなると提出するだけでも並びますし、税務相談の列などは大混雑しています。寒い中、ベビーカーとともに並んでいる女性や、80歳過ぎと思われる高齢の方の姿を見ると、「1月に来ていたら、並ばずに相談が受けられたはずなのに」と毎年感じています。確定申告書の書き方がわからない場合は、いつでも税務署で相談が受けられます。確定申告が始まる前のあいているときに相談を受けることをおすすめします。
特に今年は、セルフメディケーション税制(平成29年導入)による医療費控除の申告が始まる年です。セルフメディケーション税制は、医療費控除の特例に当たる制度で、医療用から転用されたスイッチOTC(オーバー・ザ・カウンター)薬を、年間で1万2千円を超えて購入した人が申告できます。併せて昨年、健康診断やがん検診、予防接種などを受けている必要もあります。
今年からは医療費控除が2つの制度になりますが、ひとりの人が両方の制度は使えません。従来ある医療費控除と、特例のセルフメディケーション税制のどちらかを選択することになります。
OTC薬の購入額を計算したところ、1万2千円には届かなくても、従来の医療費控除の金額にOTC薬の分を加算できます。医療費控除のほうで申告できる可能性がありますので、再計算してみるとよいでしょう。
なお、今年の確定申告から医療費控除の申告に、医療費の領収書の添付(提出)はしなくてもよいことになりました。替わりに医療費の明細書、あるいは医薬品購入の明細書の提出が義務付けられ、領収書は5年間、保管する義務が生じています。医療費控除の申告後も領収書を捨てず保管しておきましょう。
最後に、注意点をひとつ。年金暮らしで税金を納めている人は、医療費控除で差し引く金額を10万円ではなく、「所得の5%」にしたほうが一般的に有利です。65歳以上の人には、120万円の公的年金控除が適用されるからです。年金収入が年間200万円の場合、200万円から120万円を引いた80万円が「所得」になります。つまり、医療費控除で差し引くのは所得の5%の「4万円」となります。10万円ではなく、4万円を差し引いたほうが、医療費控除額を多くできます。
これまで1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、超えた額が所得から控除されて税金が還付・減額される医療費控除という制度がありました。しかし、比較的健康でお医者さんに診てもらう機会が少ないため、この制度を利用できるほど医療費を支払っていないという方も少なくないことでしょう。
そのような方でも、ちょっとした身体の不調などでOTC医薬品をよく利用される方であれば、一定の条件を満たせば税金が還付・減額される制度が2017年1月から始まりました。
一定の条件とは、特定の成分を含むOTC医薬品を1年間に12,000円以上購入し、更にその年に会社の健康診断や自治体のメタボ検診などを受けていることです。
この制度は、自分自身の健康管理を心がけると共に、軽い症状であればOTC医薬品を利用することによって、自分で自分の健康を管理すること(セルフケア)を国として推進しようとするものです。
尚、特定の成分とはお医者さんでもOTC医薬品でも使える成分のことで、第一三共ヘルスケアの製品にも多数配合されています。
調べてみましたなるほど~そんなに深刻に考えていなかったけど、もったいないことをしていました。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)とは?
OTC医薬品の購入で税金が戻る…?OTC医薬品の購入費用が高額になったとき、一定の条件を満たせば医療費控除の特例として所得控除の対象となる「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が始まりました。
例えば、特定の成分を含んだ第一三共ヘルスケアのOTC医薬品はこちら(他にも多数ございます)
税制について、もっと詳しく知りたい!
-
対象となるOTC医薬品を1年間に12,000円以上購入した場合、12,000円を超えた金額が88,000円を限度として所得から控除され、所得税の一部が戻ったり、住民税が軽くなる仕組みです。
-
世帯主が自治体の特定健康診査(メタボ検診)や会社の健康診断などを受ける、予防接種を打つなど、健康管理に取り組んでいる人です。
-
厚生労働省が定めた83成分(2017年1月17日現在)を含むOTC医薬品(ドラッグストアや薬局で処方箋なしに購入できる医薬品)です。
-
対象となるOTC医薬品のパッケージやレシートにはマークが表示されることになり、対象となるOTC医薬品かどうかをご確認いただくことが可能です。
-
所得税と住民税の負担が軽くなりますが、戻ってくる金額は、一年間の所得とOTC医薬品の購入額によって異なります。
-
「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」を利用するには確定申告をする必要があります。また、これまでの医療費控除とセルフメディケーション税制の両方を利用することはできません
-