金融庁報告書だけじゃない 安倍政権が隠蔽した“6つの事実”
「老後資金2000万円必要」とした金融庁審議会ワーキンググループ(WG)の報告書をめぐり、自民党の森山国対委員長から飛び出した仰天発言。審議会の委員が長い時間と税金を費やしてまとめた報告書を、自分たちにとって都合が悪い内容だから「なかったことにしてしまえ」とは唖然ボー然だが、安倍政権にとって「事実の隠蔽」は日常茶飯事だ。
「残しているのが当たり前」「ないはずがない」
安倍政権では、政府・与党と野党の間で、公文書や報告書の有無について、常にこんなやりとりがなされてきた。最も象徴的だったのがモリカケ問題だ。
森友問題では「一切破棄した」「残っていない」と説明されていた、財務省や近畿財務局と森友学園の詳細な交渉資料が後になって大量に見つかった。加計問題では、愛媛県今治市の職員らが官邸を訪れた際の入館記録について「確認できない」という説明が繰り返され、愛媛県文書には記されていた安倍首相と加計理事長の「面会」についても「なし」と突っぱねられた。
南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊が取りまとめた日報についても、防衛省・自衛隊は当初、「ない」とトボケていたにもかかわらず、後に「見つかった」だ。
厚労省では「裁量労働制」をめぐって都合の悪い数値データの「隠蔽」「捏造」「改ざん」が発覚したほか、毎月勤労統計調査でもデータを密かに補正していたことを隠していた事実が判明。
外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案の審議では、外国人技能実習生の実態を調べた法務省調査の一部が隠されていた。
ざっと挙げただけでもキリがない。要するに「都合が悪い事実は隠せ」が安倍政権の姿勢であり、そういう体質だからこそ、金融庁の報告書についても何ら悪びれた様子もなく、平気で「もうないよ」とか言えるワケだ。政治評論家の森田実氏がこう言う。「国民生活や政策に関わる事実について『ある』ものを『ない』とする政治はデタラメの極み。政権のおごり、傲慢もここまできたのかという思いです。本来であれば麻生財務相は辞職が当然なのに、いまや『日本のトランプ』のごとく暴言を繰り返している。こういうむちゃくちゃな政治を許してはいけません」
「石が流れて木の葉が沈む」。いい加減、ペテン政治は終わりにしなければ国が滅びる。