週刊地震情報 2020.5.10 関東で地震相次ぎ、2夜続けて緊急地震速報発表
国内で発生した震度1以上の地震の震源
この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べると少ない水準です。一方で震度3以上の地震は6回と増加しました。(5月4日~10日10時までの集計)
4日(月)~6日(水)の関東周辺の地震
国内:関東で地震相次ぎ2夜続けての緊急地震速報
4日(月)夜から6日(水)未明にかけて、関東では震度3以上の地震が相次いで3回発生しました。
最初に発生したのは4日(月)22時07分の千葉県北東部マグニチュード5.6で、そのわずか30分後には茨城県沖でマグニチュード4.4。翌日の深夜、日付が変わった後の6日(水)1時57分には千葉県北西部でマグニチュード5.0が起き、30時間足らずの間に最大震度4が2回、最大震度3が1回発生しました。
千葉県を震源とする2回の地震では、緊急地震速報が発表されています。
これらの地震は深さや発生メカニズムなどから、太平洋プレートが北米プレートに潜り込む境界付近で発生したと考えられます。
この領域は地震が非常に多く、今回のようにマグニチュード5前後の地震が頻発するケースは過去にも見られています。2019年12月3~5日にかけては、茨城県北部と南部を震源とする最大震度3以上の地震が4回発生していました。今回の地震も、通常の増減の範囲内と考えられます。
こうした地震から、将来の巨大地震の発生を予測することは現段階では難しく、常日頃からの備えが欠かせません。
世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
世界:イランの首都近郊で被害地震
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。
最も大きいものは、6日(水)にインドネシア・バンダ海で発生したマグニチュード6.8の地震です。深さが約100kmと深かったため、揺れによる被害や津波の発生はありませんでした。
一方でイランでは規模が小さいながら被害が発生しました。8日(金)に首都テヘランの少し東でマグニチュード4.6の地震が発生、震源の深さが10kmと浅かったことから震央付近では揺れが強く、テヘランでも揺れを感じています。強い揺れによって震央近くの一部の建物に被害が出て、2人の方が亡くなりました。
テヘランを含むイランの北部はユーラシアプレートとアラビアプレートの境界に近く、大きな地震が多発しています。2004年にはマグニチュード6.3の地震が発生し、30人以上の死者を出しています。