えっと~萩尾望都大先生の「トーマの心臓」の表紙集でっす!
もう四半世紀以上前のものです。
出版社じゃなくて、萩尾先生自身が発行したこの世に200冊しかないうちの一冊です!
サインも入っているでしょ?
わたしにはとってもお宝なんです!
これが出るには当然いろいろ経緯があるわけでして……。
「トーマ」を連載していた頃って、たぶんわたしは中学か高校だったんだけど、
(そのころ萩尾望都先生の存在すら知らなかったので、当然リアルタイムでは読んでないんです。)
「トーマの心臓」はBLの元祖とも言える名作なんです!
たしか小学館の週刊少女コミックに連載していたはず。
しかしBLのBの字さえなかったその時代に
少年だけしか出て来ない、しかもトーマの自殺から始まる暗い話しを連載させるってことは、
ほんと無謀というか、まあ、わたしにとってはよくやってくれました、なんですけど。
(先生の苦労があるからこそ、今のBLがあるんです!感謝、感謝!)
で、当然アンケートがとれるはずないわけで……。
アンケートがとれなければ萩尾先生だろうと、打ち切りになってしまうわけで……。
考えたのが、表紙プレゼント作戦。
原画ですよ、原画をプレゼント!
毎週のトビラ絵、それを読者にプレゼントするってことになったんです。
なんてふとっぱら!
というか、わたしも欲しかった~!
当たった人がうらやましい!
(当時、少年ものを描くってことは大変なことだったんですね~)
まあ、そういうわけで、旅立つトビラ絵を残そうってことでこの冊子を作ったということなんです。
200部印刷して親しい友人とかに配ったそうですが、
そのうちのひとつが巡り巡ってわたしの手元にやってきました。
アシスタント先の先生が「cochiさんはモ~サマのファンだったわよね、じゃあ、それあげるわ~」
といともあっさり。
ということでわたしのお宝でございます。
わたしが死んだ折りには、まんだらけにでも持っていって売ってくれ、と
頼んでおりますが、引き取ってもらえるのなか~?
そもそも価値があるものかどうかもわからないし(笑)
お墓に一緒に埋めてもらおうか……。
私は少コミでリアルタイムで読んでたのに(生意気な小・中学生だ)、そんな読者プレゼントがあったなんてことも知らず・・・。掲載されたものを一生懸命カッターで切り取ったものです。今も持ってるけど。
ぜひ、見せていただきたいもんです~。
B5サイズのすでにセピア色に変色したヤツですよ~?
それにしても「トーマ」を読む小学生ってそれは何?
そんな頃から屈折していらっしゃったんですね~。
プレゼント、覚えがないんですか?
まさか、わたしが先生にかつがれたとか?
ぜひ、ゲラを掘り返して確かめてくださいませ。
(そう言えば遺跡発掘得意でしたね~)
「残酷な神」の扉絵もいちいち美しくて、読みながら溜息ついてましたよ。それはもう家宝として代々受け継いでいってください!
それにしても、トーマはアンケートを取れなかったんですか!?そうなのか・・・。最初から受け入れられる土壌があったわけではないのですね。それでも「この漫画には何かある」と思った人たちの手で今日の名作になっているんですね。うーん、素晴らしい。私はその前に読んだ「風木」のインパクトが強烈すぎて、プラトニックな「トーマ」の愛には初読み時にはあまり感動できなかったんですよ。ただ、宗教って信仰心って凄いなと思いました。ユーリがされたことの屈辱や精神的ダメージが今になってようやくわかるようになりましたね。
ああいった歴史的名作が今の世でも生まれているといいのですが、なかなかお目にかかれない気がします。
良いものを見せて頂きありがとうございました!
代々受け継ぎたい宝なのですが、どうもその意志を継いでくれる子がいなくて……。
いざとなったらyoriさんに差し上げちゃおうかな~。
そしてお子さんができたら、りっぱな腐女子に育て、これを受け継がせてくださいませ。
(うちの娘はきっぱり”いらない”宣言していますので)