現在登録申請中のユネスコ無形文化遺産をめぐって
国の重要無形民俗文化財に指定されている「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」とともに、
現在、ユネスコ無形文化遺産への登録がほぼ確定となった日本最大級の野外劇で
ある 「烏山の山あげ行事」 を継承している那須烏山市へ、
11月11日(金)いきがい学級の地区外研修に出かけてきました。

お天気は、昨年に続きあいにくの雨
でしたが、現地へ着くころには
何とか傘を使用せず移動できるまでに回復しました。
始めに、那須烏山市の伝統工芸である 『烏山和紙』 の手漉き体験 ができる
【和紙の里】 に行き、 みんなではがきの手漉き体験をしました。
1枚目は無地のもの、2枚目は 「たなばた」 と 「雲がけ」 のどちらかを選んで
模様を入れました。




漉桁(すけた) という紙漉きの道具で、原料をすくい上げるために、
漉き簀(すきす)と呼ばれる竹を編んだものを木枠の下に引いたもの
和紙の原料を混ぜ合わせた水

まず、原料をよくかき混ぜます。

次に、漉桁(すけた)表面に化粧水(和紙の表面になる部分)をすくいます。

次に、漉桁(すけた)に原料をすくい、前後左右に素早く揺り動かします。
これを何度か繰り返します。
漉桁(すけた)から木枠を外します。
漉き簀(すきす)から和紙をはずすためのはずし方の説明です。
みなさんとても真剣に聞いていますね。

さあ、きれいにはずれたでしょうか?

この日は、気温も低く水が冷たかったのですが、水が冷たい方がよい和紙が出来上が
るそうです。
作品は、手漉きをした後、水をきり、圧力をかけ、乾燥させて完成なので、一週間後に
送られてきます。 とても楽しみです。
できあがった作品は、11月23日に行われる 「いたがコミュニティ祭り」 の
芸術作品発表会 に展示する予定です。
みなさん、ぜひ、板荷コミュニティセンターに見に来てください。
烏山和紙の手漉き体験の後は、 【松月庵】 での昼食になります。
「山あげ弁当」 をいただきましたが、とてもおいしかったです。

昼食後は、ユネスコ無形文化遺産申請中の 「烏山の山あげ行事」 を展示している
【山あげ会館】 に行きました。
こちらでは、大きなスクリーンで迫力満点な 「山あげ祭」 の様子を見ることができま
した。また、実際の舞台と街並みを5分の1に縮小したミニチュア劇も 「勘助じいさん」
の説明を聞きながら見ることができました。


次に、第二次世界大戦末期に、戦車を製造するために造られたけれど使われな
かった洞窟を、お酒の貯蔵庫として利用している 【どうくつ酒造】 へ行きました。
説明を受けながら静寂に包まれた洞窟の中を歩くと、現代と昔を行ったり来たりし
ているような異世界に迷い込んだ感覚になり、貴重な経験ができました。


最後は、 【龍門の滝】 です。
民話で大蛇が棲むと言われている滝。前日からの雨のせいか滝の水は茶色く濁って
いましたが、高さ20m、幅65mにわたって流れ落ちる様子はとても豪快で、また、
7~8割程度色づいていた周りの木々は、天候がよければ最高の紅葉狩りができた
のではないでしょうか。 

そんなこんなで、天候はいまいちではありましたが、
和紙の世界の奥深さを体験できたり、伝統の豊かさにふれたり、
とても貴重な経験ができました。


みなさん 大変お疲れ様でした 



鹿沼市の「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」と那須烏山市の「烏山の山あげ行事」は、
平成28年11月下旬から12月初旬にかけて、エチオピアのアディスアベバで開催 
されるユネスコ政府間委員会でユネスコ無形文化遺産に登録される見込みです。 
楽しみに待っていてください。 
