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一つ断言できることがある。それは、「速読を学んでよかった」ということだ〈中〉

承前

3.速読開始のきっかけ

 速読を身につける必要を強く感じたのは、大学卒業間際だった。大学院入試を年始に控え、読みたい本も我慢し受験勉強に励んでいたとき、卒業後就職する友人が「今しか時間がないから」と本を大量に読み漁っていたのを見て、心底うらやましかった。受験勉強の必要がないことではなく、自分の読みたい本を好きなだけ読める幸せを羨んだのだ。

 なぜ速読を身につける必要を感じたのか。それは、子どもの頃とは違い今後は読書に割ける時間が短くなること、その一方で本を読みたいという思いがまったく冷めていないことに気づいたからだ。読書のための時間を確保するには、自分の作業効率を高める必要がある。

 私は現在大学院に在学しているが、ここでの「作業」は9割以上が文献を読むことだ。日本語であれ英語であれ、論文・本・授業の資料など読むべき文献は膨大な量がある。このような環境下では、読書のための時間を確保するには、読書速度を上げる必要があるという結論に達した。 

 速読の習得は、読書時間を確保すること以外にも私の望みを叶えてくれる技術だと思った。それは、「たくさん本を読みたい」という望みだ。大学院生として読むべき文献は膨大な量があるが、一個人として読みたい本もまた膨大な量があった。速読の習得はまさに一石二鳥の選択だという結論に達し、速読の勉強を始める決意をした。 

4.なぜBTRメソッド?

 世の中には非常に多くの「速読術」がある。前述の通り、私はBTRメソッドしか経験していないため、他の速読術との比較を語ることはできない。しかし、多くの速読術の中から、なぜBTRメソッドを選んだのかにはお答えすることができる。 

 理由は3つある。

 1つ目は、文章の理解や感動を損なわない点だ。小説を味わうために頭の中で音読していた私は、この感動を奪う速読術は望まなかった。小説とそれ以外の本とで読み方を変えればいいと思う人もいるかもしれないが、やはり「時間が限られている」という思いが強くなると、そのように器用に切り替えができる自信がなかった。また、文献を多く読んだところでまったく頭に入っていなければ時間の無駄になるので、文章の理解度を下げる速読術の習得も望まなかった。いつ、どのような本を読んでも、十分に内容を理解し、その文章の世界を楽しむことができる速読術である必要があった。 

 2つ目は、3倍速を目指し、それを達成している受講生が多い点だ。「驚異的な」数値を示した広告を出すような速読術がある一方で、あえて「3倍速」を謳っているBTRメソッドは信頼できると思った。少なくとも読書速度が3倍になれば、今の3倍の本を読むことができるのだ。できるかわからない数値を目指すよりも、確実に現状よりも高い能力を得られるという信頼感が、BTRメソッドにはあった。 

 3つ目は、通教の受講料だ。「ここまで語っておいて、最後はカネか」と思う方もおられるだろうが、しかしきれいごとは言っていられない。通教の値段を見て、「これで3倍以上になれるのなら安いものだ」と思った。受講料を払うのは1回だけだが、3倍速になることで得られる余剰時間は今後一生続くのだ。そう言い聞かせて申込書を投函した。 

                            続く

 

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