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なおしのお薦め本(72)『人体常在菌のはなし』

  クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。今回も「オマケ」つきです。

 人体常在菌のはなし

                   青木 皐

 副題に「美人は菌でつくられる」とあります。

 まじめな本であることは確かなのですが、著者の遊び心がところどころに表れていて、そこが一番の魅力だと思います。引用します。

 「実は、腸内細菌がバランスよく育っているのかどうか、あなたは簡単に知ることができる。しかも、ほぼ毎日。

 その方法は、自分のウンチを見ることだ。ウンチというものは、食べ物が分解された残りのカスと腸内常在菌やその菌の死骸などと水分で構成されている。水分以外の固形物のうち、食べ物のカスはほぼ三分の一、残りが菌である。繊維の多いイモ類、玄米などをたくさん食べている人ならば食べ物のカスは二分の一から三分の二程度になるかもしれないが、現代日本の平均的食事からすると、食べカスはせいぜい三分の一程度に過ぎないと思われる。

 いずれにせよ有益菌と有害菌のバランスがよく、ビフィズス菌もちゃんと育っているウンチは、きっと黄金色に輝きながらするりと肛門から出てきて、ほんわかと湯気をたて、水に浮いているに違いない。先述したように、食物繊維によってすき間ができ、ビフィズス菌が活動していれば、ふわふわ軽いウンチになる。ビフィズス菌が多ければウンチは酸性になり、黄色味を帯びるのである。

 黒くて固くてくさいものが肛門を傷つけながらしか出ないなら、常在菌のバランスは崩れているだろう。食物繊維が足りず、すき間ができずにもともと固い上に、便秘気味で大腸内に滞留する時間が長いと水分ばかりが腸壁に吸収されてさらに固くなる。有害菌の産生する腐敗物質でくさくなり、アルカリ性に傾いて黒くなるのである。(中略)

 ウンチなど考えたくもないという人もいるだろうが、私は、明日のウンチを念頭に、今日の仕事をこなし、食事をし、睡眠をとっている。昨今のビジネスにおける戦略的思考にならえば、まず『いいウンチ』というゴールを設定しているのである。根菜類(イモやニンジン、大根、ゴボウ)を含む野菜、海藻、豆類をたくさん食べ、オリゴ糖をお弁当にヨーグルトを胃に送り込んだ日は、腸内フローラの美しさが目に浮かび、明日のウンチにうっとりしつつ眠りにつく。

 ばかばかしいと笑っていただいて結構だが、ウンチのことを念頭に置いていないあなた、便秘がちではないだろうか。胃腸の調子はどうだろうか」

 この、メーターが振り切れたような書きっぷり。爽快感さえおぼえます。       なおし

 

           ■参考記事

      ※もりぞう爺さんの話(上) 

       オマケ

       ―なおしのメール―

松田さん、こんにちは。
今回のオススメ本は「わかりやすい医科学的実用読み物」(とカバー裏にあり)なのですが、とても読みやすいです。
題名が少し硬いので、あまり手に取ってもらえないかもしれません。でも、内容は万人向きです。副題と本題を入れ替えた方が良かったのでは、とも思いました。
それではまた。  小川

 

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
良いウンチ (空猫)
2015-03-14 05:51:49
というものがどんなものであるかは聞き及んでいたのですが、産後の病院食でその「理想の便」が続いた時、いい食事ってこういうものなんだなあとしみじみ思った経験があります。

肉は大体、鶏肉だった気がします。
 
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