5月の新緑が穏やかな日曜日の一日、断酒会行事に参加しました。
私は平成16年、17年の2年間地域の断酒会に入れて頂きお世話になりました。お陰様で、何とか断酒が身につき精神状態も落ち着いてまもなく、がんになり8年間で6回の手術の身となり、断酒会は2年で辞めました。酒に飲まれる、酒癖が悪い、という軽症だったこともあります。この2年間はかなり各所の記念大会・一泊研修会へ連れて行って貰いました。
断酒会は懐かしいのと、寺参りと同じで精神修養になるので、近くに記念大会があると、一般参加で勉強に行くよう勤めています。記念大会はネットで親切に案内してくれるサイトがあるので時々ウオッチしています。
今日の会場は愛知県あま市、甚目寺町の公民館でした。家を車で出て岐阜・各務原IC~東海北陸道~名神~名古屋都市高速~名二環~清洲西IC下車、33km弱で、ETCは休日割引なのか1時間ほど千円足らずでした。
愛西市、あま市など最近町村合併で市になって、近くにありながら普段縁のない街なので、ネットで確り調べて出かけました。
何の苦もなくナビの案内で到着し、会場入り口で全国的にも著名な断酒人の尾張断酒会と尾北断酒会の先輩2人に出会い、平素の無沙汰を詫び握手してご挨拶しました。この方達は私のようなものに親切にして頂き、年賀状も貰っています。
断酒会記念大会はどこの大会でも式次第は決まっています。厳粛で誠実な式典を真面目な会員と家族が執り行われていつも感動します。
今回は前半で2人の体験発表、家族の立場⇒妻の立場から と 本人の立場⇒夫の立場から を1組の中年ご夫婦が、
15分休憩の後、家族の立場⇒親の立場から 本人の立場⇒子の立場から を初老の父と30代くらいの娘さんが、
それぞれ感動的体験発表をされました。なかなかこうした組み合わせの発表を聞く機会は恵まれません。個々の発表になりがちです。
来賓はあま市長、県会議員、津島保健所長、八事病院臨床心理士、海南病院ソーシャルワーカー、などの方が祝辞を述べられ、市議2人が参加して頂きました。
市長さんは毎日何かで酒の席に侍るが、自己中心で家族のことを思ったことはなく、会の初めの「家族の誓い」の宣言が印象的だったと話されました。
家族の誓い
“私は夫(息子、妻)の酒害に巻き込まれて悩み苦しみました。
アルコール依存症は家族ぐるみの病気です。病気だから治さなければなりません。また直すことができます。
これからは酒害を正しく理解し、互いに協力して心の健康を回復します。
私は断酒会の皆様とともに、幸せになることを誓います。“ という定文です。
今日の記念講演は
独立行政法人 国立精神神経医療研究センター
精神保健研究所 自殺予防総合センター 副センター長 松本 俊彦 先生
演題 「アルコール問題とうつ・自殺」 の講話でした。
日本の自殺者は毎年3万人越と近代国家では日本が群を抜いて高い。‘00年から急上昇しほとんど下がらない。
原因はうつが断然多いが、自殺者の21%がアルコール問題を抱えている。自殺者のトライアングルは「うつ+返済できない借金+アルコール」の3点セット、これに「がんなどの病気」と「離婚」が付属する。男性は中高年の自殺が多い。女性は自殺は少ないが”うつ”が多いそうです。
「人生に行き詰まったら⇒お酒を飲みながら、ものを考えないこと」と教えられました。
講演はパソコンを操作しプロジェクターでスクリ-ンに映して説明される講演だったので、会場が暗くメモは取れませんでした。
インターネットで、ヤフーから「自殺予防」のキーワードでトップに表示される、「いきる」をクリックして、先ず相談窓口へ電話せよ。このページの上段、ホームをクリックし、自殺予防総合センターのホームページ下段のサムネイルから、各種パンフレットを読むなり印刷して下さいとのこと。30分の講演が終り質問の時間では多くの手が上がりました。
Q:「4回も入院しているが断酒ができないがどうしたらいいか」
A:「とにかく断酒会につながっていること」
と、精神科医の先生は、決して意思が弱いとか、だらしないから、などとは言われませんでした。病気だからです。
あと2人の質問と回答があり時間切れでした。
会の最後はいつも連鎖握手で、
「もっと 強く、 もっと 賢く、 もっと 真剣に、 やろう やろう やろう」 です。
参加者は来賓と私のような一般を除き303名で、かなり遠方の会員も参加され、真面目な一日を過ごし清々しい気持ちで帰ってきました。