友人の演奏会に行ってきました。
ベルリン・ドイツ・オペラの専属歌手を務めたりなさった某先生の
門下生で構成された会の旗揚げ公演だったのです。
(あ~、めんどくさい言い方!)
特定の方のお名前を出すことができないので、
上記のようなまどろっこしい言い方になっていますが、
大学~大学院と、私もレッスンを見ていただいたり、
それ以上に、と~ってもお世話になった先生の門下生の集まりなのです。
私もドイツリートを、何年も教わっていたので、
兄弟弟子・・・いや、ハトコくらいかな・・・? 笑
大学や大学院の頃は、まだ20代前半で、
人間という楽器も、まだ出来上がっていない頃です。
そんな時代にムリをして歌いすぎてしまい、
結局、高音が出なくなってしまった友人もいますが、
私=“坂野早苗”という楽器も、
まだまだ出来上がりつつある最中でした。
・・・いや、まだ全然、出来上がっていなかったといった方がいいかもしれません。
楽器が全然、出来ていない状態でしたので、
楽器の良さがものを言うイタリア・オペラやカンツォーネなどは、
まだまだ早い!って感じの時期でした。
当然、ドイツ・リートなどの歌曲に惹かれていった訳で・・・
歌っていたのは、モーツァルトにシューベルト、
シューマン、ヴォルフ、R.シュトラウスの何曲か・・・。
“坂野早苗”という楽器の、レッジェーロな声に合うドイツ・リート。
そして、少しイタリアの血が混ざったヴォルフ=フェラーリ。
イタリアンな朗々とした歌唱は、まだまだヒヨッコには早くて、
プッチーニやヴェルディ、マスカーニ・・・は、
手をつけてはならない、聖域にありました。
かわりに・・・
リートの世界観と、詩の宇宙。
伴奏と歌のハーモニーと、言葉とメロディーの調和を、
すっごく楽しんで、勉強した日々です。
体が出来上がってきて、
ようやくプッチーニのオペラの主役達や、
ヴェルディのオペラに挑戦できるようになってきた、今日この頃♪
兄弟(ハトコ?)弟子のメゾ・ソプラノが歌ったのは、
ブラームスでした!
ブラームス!!!
私のようなレッジェーロにとっては、
まさに憧れの存在!
しっとりと歌わなければならない印象のブラームス・・・。
メゾ・ソプラノの深く、慈悲に溢れた響きが
よく似合います。
可愛い印象のソプラノの声では、
ちと軽すぎる・・・。
ブラームスの歌曲は、とても好きなのですが、
自分のもっている、絶対的なイメージを壊したくないので、
絶対に歌いたくはない作曲家だったりするのです。
深い、メゾの楽器で聞きたい曲なのです。
彼女の演奏は見事で、涙が出そうになりました♪
永遠の憧れ。
初恋と同じかもしれません。笑