絶望の声
もし世界が恐怖に満ち
不安に押しつぶされそうになっていたとしたら
その時こそ、芸術家の出番
笑顔を誘う歌を歌い
癒しの音楽を奏でよう
恐怖を撥ね退け、安心させる力が音楽にはある
芸術家は誰よりも、その力を熟知している
誰かのために歌う喜び
お金がほんのちょっとでも手に入れば生活は楽だが
お金ではない何かが報酬として与えられることも知っている
美しきもの、真実、理想を追い求める芸術家は
いかなる時も希望を見出す
希望の道の向こうに、求める芸術が横たわる
もし世界が平穏に満ち
幸福のみが支配していたとしたら
その時こそ、芸術家は廃業
誘わずとも笑みはこぼれ
奏でずとも癒しの音楽が溢れる
創作せずとも、自然の中に芸術が溢れている
その時こそ芸術家は、絶望の声をもらすだろう
そして、絶望の声こそが芸術家の究極の目的である