さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

Sembra fatto in ver per me~ブレスしよう~

2020-09-04 | オペラ研究
Ora sì ch'io son contenta

今、こんな感じだわ、私が満足するところの(直訳)
さあ、これで満足だわ(さなえ訳)

sembra fatto in ver per me

作られたように見える、まさに、私のために(直訳)
まさに私のためにこしらえられたって感じ(さなえ訳)




~主節と従属節~

イタリア語は日本語と同じで主語を省略しますので、
io とわざわざ言っていると何か意味があるのでは?と勘繰りたくなりますが、
これは二つの文章…つまり主節ora sìと従属節son contentaが
関係代名詞cheで接続された、いわゆる複文なので、
従属節中の主語が何であるのかを明確にするために
ioをわざわざ言ったに過ぎないと思います。

つまり、ioと言っていても勘繰らないのが正解。
『ora sì』がメインの文章です!

『うふふ、完成(^^♪』って思って歌ってたりしますね~。

このニコニコ感が大事だと思います(^^♪

contentaは音域も上がって、アポジャトゥーラもついています。
よりニコニコ感が増します(^^♪



~ブレスで目線を変える~

次のsembra fatto in ver per meは、
最初のフレーズと同じメロディーです。
最後だけ、アポジャトゥーラがついていないということ、
それ以外は、同じメロディです。


同じメロディですが、同じ内容を繰り返している訳ではありません。


最初のメロディーは、鏡に映った自分の姿を見ています。
主に、全体像を見ているのです。
今まで準備してきたこと、作り上げてきたこと、
ベールをつけて鏡に映った自分の全身、
全てを見ながら言っています。

もちろん、ベールのことも含まれています。
が、『全て』を主語として言っていることは確かです。


繰り返される次のメロディーは、ベールが主語です。
このベールは sembra fatto 作られたようだと歌っています。

『うふふ、私の(^^♪』って思って歌っていたりしますね~。

やっぱりニコニコ感が大事です(^^♪


最初のメロディーは、鏡の中のベールをつけた自分を見て、
次のメロディーは、頭の上のベールにフォーカスして、歌いたいと思います。



お芝居としては、鏡を見ているスザンナの姿が表現されればよいです。
脱力して、鏡の中の自分に見とれている…そんな感じです。
最初のフレーズと次のフレーズで、ポーズは変わりません。

主語が変わったこと、目線が変わったことは、
間にブレスを入れることで表現!




~『たっせ』~

contentaのtaを、たぶん8分音符くらいの長さで歌い、
たぶん8分休符くらいの長さで短いブレスをします。
いっぱい吸わずに、ちょっと補給するくらいの短い小さなブレスです。

ブレスをしたからと言って、ポジションを変えずに
taと同じクオリティのseを続けます。

「ta (v) se」「た(ブレス)せ」と繰り返して練習したりします。

『せ』の『s』の子音が強くならないように注意…。
これも3拍目からの歌い出しです。

ブレイク、断層、割れ目、間…、
いろいろな表現の仕方をしますが、
要するに、短いブレスを入れることによって、
主語または目線が動いたことを表現します。


「…ta,(v) se…」「…た、(ブレス)せ…」

句読点、と言った方がわかりやすいでしょうか。

句読点という名の短いブレスを入れて、
主語が変わった=目線が変わったことを表現すればOK(^^♪

ブレスをしよう!

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