さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

Nr.1の小道具~物差しZollstock~

2020-09-24 | オペラ研究
フィガロの結婚の1番2重唱を上演する時、
必要な小道具は二つです。
(鏡を小道具としてカウントする場合は3つです)


フィガロが手にしている物差し。
スザンナが頭にしている被り物。

先ずはフィガロの小道具から考察してみます。




~ Zollstock ~

ペータース版には、ト書きに
"Figaro mit einem Zollstock in der Hand"
"Zollstockを手にしたフィガロ"とあります。

"Zollstock"は"物差し"または"折り尺"などと訳されます。




~折り尺~

折り尺…日本ではあまり見かけないと思います。
なぜなら一般家庭に普及しているのは巻き尺だからです。

3mや5m…。
測った後で、くるくると巻いて収納するのが巻き尺です。
あるいはボタン一つでシュルシュルと、
巻かれて収納されてくれます。

手のひらサイズに収納されて、
巻き尺は持ち歩きにも便利です。


Zollstockは巻き尺のように数mのものを測れますが、
巻かずに、折り畳んで収納します。

つまり、固いです。
木製だったり、金属製だったりします。

折り畳み式のナイフのように、
長い物差しを二つ折り…どころか、
四つ折り、八つ折り、…いやそれ以上です。
山折りと谷折りを繰り返して
折り畳んで収納します。

蛇腹定規とでも表現しましょうか。

ペコペコと折り畳んで収納するので、
ペンケースにも収納できちゃいます。

二つ折りの定規は、日本でも売られてます。
あれがもっと長くて、いくつも折られているもの,
それが降り尺です。


折り畳み杖をイメージした方がわかりやすいでしょうか。




~ Zoll ~

Zollstock の Zoll は、長さの単位であるインチのようなものです。
厳密に言うと、長さが違いますが、
Zoll ツォルはインチと訳されることが多いです。

昔は長さを表す単位として、ツォルを使用していたようです。
日本で言えば、寸のようなものです。
どちらも約3センチ、
厳密に言えば、ツォルの方が少し短めです。

寸もインチも、親指を基準として定められた長さの単位です。
身体尺とも言うそうです。

…日本人は、指が太かったのかなぁ…。


《続く》

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