さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

sembra fatto in ver per meの子音の練習

2020-09-07 | オペラ研究
sembra fatto in ver per me

このフレーズには、以下の子音が順に使われています。

①歯を使う摩擦音『s』
②口を閉じたハミング『m』
③唇を使う破裂音『b』
④巻き舌『r』
⑤唇と歯を使う摩擦音『f』
⑥歯と下を使う破裂音『t』
⑦口を開いたハミング『n』
⑧唇と歯を使う摩擦音『v』
⑨唇を使う破裂音『p』
④巻き舌『r』
②口を閉じたハミング『m』

①は口を閉じやすいので『え』の母音はしっかり開け直し、
②は次が③なので、あまり意識せず、
③と④は前のレの音で演奏して……までは前回記事

この『mbr』の子音は、前の音符で演奏します。
音もレですが、タイミングとしても、前の音符。
4拍目の裏でドの音を演奏する時には、もう『mbr』が終わっていて、
『あ』の母音が演奏されるように、子音を前に出します。
シラブルを『s-embr-a…』と分けて考えるとわかりやすいかもしれません。
子音+母音ではなく、母音+次の子音です。

⑤以降も同様です。
⑤や⑥などの歯や舌を使う子音は、口を閉じてしまいがちなので、
母音が狭くなり過ぎないように、気を付けて、開けます。

⑦と⑧は有声子音なので、レ音で演奏できます。
『nv』と一緒に発音するような感じで、間を短くして、
上行するので、次のレの音で演奏するようにして、
しかも、『in v-er』という感じに、タイミングを少し前にします。

二重子音なので、三重子音ほどではありませんが、
レの音が実際よりもコンマ何秒、早めに演奏されている感じ。

この前のめりな歌い方をマスターすると、オーケストラで歌った時に、
オケに負けずに声が飛びます。

⑨も子音を発音したことで口の中が狭くなり過ぎないようにして
開け直して母音を発音します。

『rm』も一つの音のように、音をつけて演奏できます。
次のレの音で演奏したら、
『え』の母音はちゃんと開けて発音。

……と、いちいち確認してみると、
それだけでうまくなっちゃったりします。

しかも、このフレーズ、ラ・シ・ド・レの4度で作られているので、
確認作業にもってこいです。

スザンナの歌い出しとして、やっぱりすごく考えられているような気がします。
ウォームアップに最適というか…。

これさえ歌えれば、なんでも歌えちゃう気がするというか。


自分の声をキープするために、
このフレーズを昨日と同じように今日も、
今日と同じように明日も、
今と同じように10年後も、
ずーっと歌っていたいなと思います。
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合唱団再開

2020-09-06 | ボイトレ日記
指導している合唱団の練習が再開されました。

合唱はクラスターを発生させた事例もあり、
また、歌は感染拡大が何よりも懸念されるため、
会場の使用条件としても、ものすごく厳しいです。

が、団員さん達の希望と決意があり、再開しました。

『歌いたい』
『感染したら、それはそれで仕方がない』

歌いたい思いの方が強いこと、
もちろん感染しないように気を付けるけれど、
感染したとしても、仕方がないことと諦めるつもりであること。


練習再開に当たっては、
合唱連盟のガイドラインを遵守しつつ、
団独自のガイドラインも定め、
今までに使用していた会場よりも大きな会場に移り、
横の人と、私達指導者と距離を取って、
換気をして、消毒をして……
初回は楽しく歌えました。


不織布マスクは、やはり高地トレーニングです。

熱中症対策もしつつ…。


May SONGS be with us always!!!


音楽のある人生を送れること、
音楽のある人生を提供できることに感謝します。
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mbr

2020-09-05 | オペラ研究
sembra fatto

『たっせ』と、柔らかく句読点で繋いだら、
次々に子音が溢れ出します。




~溢れ出す子音~

『se』から始まる『sembra fatto ...』のフレーズは、
最初のフレーズと同じメロディですが、
唇を使う子音が多く使われています。
登場順に、『m、b、f、v、p、m』です。

最初のフレーズは舌や歯、軟口蓋…つまり口の中で発音するものばかりでしたが、
続くフレーズは口の外で発音するものが多くなるのです。

パイロットが飛行機を飛ばす前に機器のチェックをするように、
最初のフレーズでは舌→歯→軟口蓋…と、順に口の中の子音の位置をチェックしました。
次のフレーズでは歯→唇→舌→唇→舌…と、口の外まで広げています。

あるいは、スザンナの満足感が、内から外へ溢れ出しているかのようです。

…そう感じて歌うと、よい表現ができそうな気がします(^^♪


最初のフレーズよりもクレッシェンドして次のフレーズ…ではありません。
同じ音量だけど、内から外にって感じです。
幸せがダダ洩れって表現した方がわかりやすいかしら?




~三重子音『mbr』~

sembraの『mbr』は子音が3つですが、難しくありません。

『b』を発音するために、口を閉じるので、
必然的に『m』も発音されます。
よって、『m』は意識しなくて大丈夫。
…間違っても、『semmmmbra』『せん~~~ぶら』と、
『m』のハミングの時間が長くならないように、
『sebra』に近い発音にします。
『え』の母音をちゃんと柔らかく響かせるって感じ!

『b』から『r』は素早く、『br』という一つの子音のように発音します。
『br』の子音よりも『あ』の母音を
ちゃんと柔らかく響かせるって感じ!

つまり、『えーあ』とボカリーゼで練習して、
それが柔らかくレガートであり、
そのボカリーゼと同じクオリティに『sembra』も揃えたらOK(^^♪




~『sembra』を練習する~

先ず、『えーあ』と練習します。
『あ』が短くなりすぎないように注意。
(日本語は、語尾が弱まって無声化する傾向があります)

次に『せーら』と練習します。
『えーあ』『せーら』『えーあ』『せーら』
繰り返して同じクオリティにします。

次に『せーbra』と練習します。
『br』は一つのように短く発音しますが、
逆に『あ』は短くしません。
『えーあ』と同じように母音を響かせます。

…と練習していると、いつのまにか『sembra』が
綺麗に響いているように思えます(^^♪
『…ように思える』はイタリア語で『sembra』です。


そしてそして、
最初の『おーら』と同じように!



~『mbr』を演奏する~

『m』は口を閉じたハミング、
『r』は、ここでは巻き舌です。
どちらも音をつけて演奏できます。
✖で表現される音符ではなく、
丸い符頭(たま)のついている音符です。

同じように『b』も演奏することができます。
一瞬ですが、音をつけることができます。

この『m』『b』『r』のような、音のつけられる子音を
有声子音と呼びます。


『mbr』の有声子音を、どの音で演奏したら
耳に心地よく響くでしょうか?




~有声子音の演奏音~

結論から言うと、
有声子音の演奏音は、前の音との関係で決まります。

『sembra』の場合、『レ→ド』と2度下降するので、
前の音である『レ』の音で、『mbr』を演奏します。
下降していたら、前の音です。

もしも、上行していたら、上がった先の音で演奏します。
『レ→ミ』なら『ミ』の音、
『レ→ソ』なら『ソ』の音です。

上行する前の音で演奏してしまうと、
音をずり上げているように聞こえ、
耳に心地よくありません。

上行した後の音で有声子音を発音すると、
歌いやすく、
ブリランテにも響きます(^^♪


ちなみに上行も下降もしていなくて同じ音なら、
絶対に完璧に、同じ音で演奏します。
当然です。




『se』のレの音で『mbr』を歌います。
歌いやすく、とにかく明るいスザンナのキャラクターも出てくると思いませんか?
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Sembra fatto in ver per me~ブレスしよう~

2020-09-04 | オペラ研究
Ora sì ch'io son contenta

今、こんな感じだわ、私が満足するところの(直訳)
さあ、これで満足だわ(さなえ訳)

sembra fatto in ver per me

作られたように見える、まさに、私のために(直訳)
まさに私のためにこしらえられたって感じ(さなえ訳)




~主節と従属節~

イタリア語は日本語と同じで主語を省略しますので、
io とわざわざ言っていると何か意味があるのでは?と勘繰りたくなりますが、
これは二つの文章…つまり主節ora sìと従属節son contentaが
関係代名詞cheで接続された、いわゆる複文なので、
従属節中の主語が何であるのかを明確にするために
ioをわざわざ言ったに過ぎないと思います。

つまり、ioと言っていても勘繰らないのが正解。
『ora sì』がメインの文章です!

『うふふ、完成(^^♪』って思って歌ってたりしますね~。

このニコニコ感が大事だと思います(^^♪

contentaは音域も上がって、アポジャトゥーラもついています。
よりニコニコ感が増します(^^♪



~ブレスで目線を変える~

次のsembra fatto in ver per meは、
最初のフレーズと同じメロディーです。
最後だけ、アポジャトゥーラがついていないということ、
それ以外は、同じメロディです。


同じメロディですが、同じ内容を繰り返している訳ではありません。


最初のメロディーは、鏡に映った自分の姿を見ています。
主に、全体像を見ているのです。
今まで準備してきたこと、作り上げてきたこと、
ベールをつけて鏡に映った自分の全身、
全てを見ながら言っています。

もちろん、ベールのことも含まれています。
が、『全て』を主語として言っていることは確かです。


繰り返される次のメロディーは、ベールが主語です。
このベールは sembra fatto 作られたようだと歌っています。

『うふふ、私の(^^♪』って思って歌っていたりしますね~。

やっぱりニコニコ感が大事です(^^♪


最初のメロディーは、鏡の中のベールをつけた自分を見て、
次のメロディーは、頭の上のベールにフォーカスして、歌いたいと思います。



お芝居としては、鏡を見ているスザンナの姿が表現されればよいです。
脱力して、鏡の中の自分に見とれている…そんな感じです。
最初のフレーズと次のフレーズで、ポーズは変わりません。

主語が変わったこと、目線が変わったことは、
間にブレスを入れることで表現!




~『たっせ』~

contentaのtaを、たぶん8分音符くらいの長さで歌い、
たぶん8分休符くらいの長さで短いブレスをします。
いっぱい吸わずに、ちょっと補給するくらいの短い小さなブレスです。

ブレスをしたからと言って、ポジションを変えずに
taと同じクオリティのseを続けます。

「ta (v) se」「た(ブレス)せ」と繰り返して練習したりします。

『せ』の『s』の子音が強くならないように注意…。
これも3拍目からの歌い出しです。

ブレイク、断層、割れ目、間…、
いろいろな表現の仕方をしますが、
要するに、短いブレスを入れることによって、
主語または目線が動いたことを表現します。


「…ta,(v) se…」「…た、(ブレス)せ…」

句読点、と言った方がわかりやすいでしょうか。

句読点という名の短いブレスを入れて、
主語が変わった=目線が変わったことを表現すればOK(^^♪

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