オペラ『フィガロの結婚』の小道具について考察しています。
第1番2重唱でフィガロが使っている小道具について、です。
~巻き尺~
フィガロが巻き尺を使っていたと仮定します。
ボタン一つでシュルシュルと巻いて収納する、
あのからくりのついたタイプの、
スチール製の、あるいは裁縫箱に入っていそうなタイプの、
日本のご家庭ではお馴染みの、あの巻き尺は、
当時使われていたとは考えにくいのですが、
リボンやロープのようなひも状のもので長さを測っていた歴史は、
エジプトのピラミッド建設でも確認されているので、
巻き尺(ひも)はあったと容易に推察できます。
何かに巻き付けるか、毛糸のようにクルクルと丸めるか、
ロープのように結ぶかして、
使わない時には収納されていると考えられます。
この場合、misuraは
『紐状のもので長さを測るための道具』と訳されるでしょう。
裁縫箱の中の巻き尺のように、道具箱の中の巻き尺のように、
『紐状のもので長さを測るための道具』は、
フィガロの商売道具の中にあり得るでしょう。
~巻き尺で測る~
巻き尺(ひも)を使う場合、使い方には二通りが考えられます。
ある程度の長さがあって目盛りがある場合と、
短くて、その巻き尺(ひも)自体を基準をする場合です。
~長さがある巻き尺で測る~
ある程度の長さがある巻き尺で測る場合、
その巻き尺(ひも)には必ず目盛りがついているでしょう。
ベッドの丈以上の長さがラクです。
目盛りに沿って、長さを測ります。
巻き尺(ひも)を、伸ばしながら測るのは…
たとえそれがスチール製の巻き尺であったとしても、
安定しないので、やりにくいです。
校庭に白線を引く時のような感覚で、巻き尺(ひも)がスルスルと安定するように、
何かに巻き付けておくか、毛糸を転がすようにするか…、
いずれにせよ、伸ばしやすくするために工夫を凝らす必要があります。
伸ばしながら測るのではなく…
まずは巻き尺(ひも)を床の上に伸ばして置いておいて、
目盛りだけを確認する方が、やりやすいです。
幕が開く前から、フィガロは巻き尺(ひも)を床に伸ばしています。
実際には、スタッフさんが置いておいてくれますが、
フィガロが伸ばしたものであるという前提です。
幕が開くタイミングでは、巻き尺(ひも)は床の上に置かれています。
…『手に』というト書きには合致しなくなります。
床の上に置かれた巻き尺(ひも)に、手を添えるなら、
…『手に』のト書きはギリセーフ?ギリアウト?
巻き尺(ひも)の端を手に持っていて、それを置く瞬間だったらOK!
『手に』のト書きに合致します。
長さのある巻き尺で測る場合、
伸ばしながらでも、床置きでも、
目盛りを確認して移動しながら「5.10」と測ったら、
次は2倍、移動して「20」です。
……なぜ急に倍速になるのでしょうか。
~目盛りのない巻き尺で測る~
目盛りのない巻き尺で測る場合、
その巻き尺(ひも)自体を基準として測ります。
尺取り虫を想像させるように、
その巻き尺(ひも)が何本分なのかを測るのです。
左手と右手、巻き尺(ひも)の両端を持って「5」。
単位はわかりませんが、5ナントカという長さが
その巻き尺(ひも)1本で測れるのでしょう。
5分の1ずつ、目盛りが振ってあるのです。
あるいは単位が"巻き尺(ひも)"。5マキジャク(ヒモ)。
尺取り虫の動きを5回繰り返して、
ひも5本分の長さを測ります。
「5ナントカ」または「5本分」を測って「5」、
そこからさらに同じように測って「10」、
次はその動作を素早く2回繰り返して「20」…
……なぜ急に倍速になるのでしょうか?
~物差しで測る~
目盛りのない巻き尺(ひも)は、物差しと同じです。
硬いか柔らかいかの違いです。
「5ナントカ」の長さの物差しで「5」。
あるいはその物差し5本分の長さを測って「5」。
そこからさらに同じように測って「10」、
次はその動作を素早く2回繰り返して「20」…
……なぜ急に倍速になるのでしょうか?
~ Zollstock ~
二つ折りの物差しだとします。
伸ばした長さが「10ナントカ」で、
畳んだ長さが「5ナントカ」です。
畳んだままで「5」、伸ばして「10」、
その端から、伸ばしたままの物差しで測って「20」…
やっぱりツォルシュトックを使っていたんでしょうか?
第1番2重唱でフィガロが使っている小道具について、です。
~巻き尺~
フィガロが巻き尺を使っていたと仮定します。
ボタン一つでシュルシュルと巻いて収納する、
あのからくりのついたタイプの、
スチール製の、あるいは裁縫箱に入っていそうなタイプの、
日本のご家庭ではお馴染みの、あの巻き尺は、
当時使われていたとは考えにくいのですが、
リボンやロープのようなひも状のもので長さを測っていた歴史は、
エジプトのピラミッド建設でも確認されているので、
巻き尺(ひも)はあったと容易に推察できます。
何かに巻き付けるか、毛糸のようにクルクルと丸めるか、
ロープのように結ぶかして、
使わない時には収納されていると考えられます。
この場合、misuraは
『紐状のもので長さを測るための道具』と訳されるでしょう。
裁縫箱の中の巻き尺のように、道具箱の中の巻き尺のように、
『紐状のもので長さを測るための道具』は、
フィガロの商売道具の中にあり得るでしょう。
~巻き尺で測る~
巻き尺(ひも)を使う場合、使い方には二通りが考えられます。
ある程度の長さがあって目盛りがある場合と、
短くて、その巻き尺(ひも)自体を基準をする場合です。
~長さがある巻き尺で測る~
ある程度の長さがある巻き尺で測る場合、
その巻き尺(ひも)には必ず目盛りがついているでしょう。
ベッドの丈以上の長さがラクです。
目盛りに沿って、長さを測ります。
巻き尺(ひも)を、伸ばしながら測るのは…
たとえそれがスチール製の巻き尺であったとしても、
安定しないので、やりにくいです。
校庭に白線を引く時のような感覚で、巻き尺(ひも)がスルスルと安定するように、
何かに巻き付けておくか、毛糸を転がすようにするか…、
いずれにせよ、伸ばしやすくするために工夫を凝らす必要があります。
伸ばしながら測るのではなく…
まずは巻き尺(ひも)を床の上に伸ばして置いておいて、
目盛りだけを確認する方が、やりやすいです。
幕が開く前から、フィガロは巻き尺(ひも)を床に伸ばしています。
実際には、スタッフさんが置いておいてくれますが、
フィガロが伸ばしたものであるという前提です。
幕が開くタイミングでは、巻き尺(ひも)は床の上に置かれています。
…『手に』というト書きには合致しなくなります。
床の上に置かれた巻き尺(ひも)に、手を添えるなら、
…『手に』のト書きはギリセーフ?ギリアウト?
巻き尺(ひも)の端を手に持っていて、それを置く瞬間だったらOK!
『手に』のト書きに合致します。
長さのある巻き尺で測る場合、
伸ばしながらでも、床置きでも、
目盛りを確認して移動しながら「5.10」と測ったら、
次は2倍、移動して「20」です。
……なぜ急に倍速になるのでしょうか。
~目盛りのない巻き尺で測る~
目盛りのない巻き尺で測る場合、
その巻き尺(ひも)自体を基準として測ります。
尺取り虫を想像させるように、
その巻き尺(ひも)が何本分なのかを測るのです。
左手と右手、巻き尺(ひも)の両端を持って「5」。
単位はわかりませんが、5ナントカという長さが
その巻き尺(ひも)1本で測れるのでしょう。
5分の1ずつ、目盛りが振ってあるのです。
あるいは単位が"巻き尺(ひも)"。5マキジャク(ヒモ)。
尺取り虫の動きを5回繰り返して、
ひも5本分の長さを測ります。
「5ナントカ」または「5本分」を測って「5」、
そこからさらに同じように測って「10」、
次はその動作を素早く2回繰り返して「20」…
……なぜ急に倍速になるのでしょうか?
~物差しで測る~
目盛りのない巻き尺(ひも)は、物差しと同じです。
硬いか柔らかいかの違いです。
「5ナントカ」の長さの物差しで「5」。
あるいはその物差し5本分の長さを測って「5」。
そこからさらに同じように測って「10」、
次はその動作を素早く2回繰り返して「20」…
……なぜ急に倍速になるのでしょうか?
~ Zollstock ~
二つ折りの物差しだとします。
伸ばした長さが「10ナントカ」で、
畳んだ長さが「5ナントカ」です。
畳んだままで「5」、伸ばして「10」、
その端から、伸ばしたままの物差しで測って「20」…
やっぱりツォルシュトックを使っていたんでしょうか?