小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

歴史

2014-11-08 00:11:46 | 考察文
今では、小学生の、歴史教育、も、かなりレベルが高い。たまたま、図書館のリサイクル図書に、「社会授業の実況中継」という、中学入試用の日本史の参考書を見つけた。読んでみると、面白い。かなりボリュームもあるし、内容も、わかりやすいように書いているが、豊富で高度である。これは、2006年の発行なので、そのあと、少し、ゆとり教育に、変わっているのかもしれない。

「社会授業の実況中継」は、高校生の日本史の参考書、つまりは、大学入試用の参考書、に近いくらい、内容が深い。あれを、完全にマスターしたら、通れる大学もあるのでは、ないかと思う。

しかし、よほどの、ガリ勉、でも、あれを全部、覚えて、理解している小学生は、おそらく一人もいない、だろう。日本史は、天皇制という、ややこしい特殊な物があるし、昔から、そして、特に近代になると、世界史の知識も、ある程度、知っていないと、理解できない。時代が進むにつれて、歴史はグローバルになっていく。

それと、歴史の勉強が難しいのは。

今は、「いじめ」が、社会問題になっている。

学校では、「いじめ」は、よくない事、悪い事、で、「みんな仲良く」と、教師から教えられる。「いじめ」が、悪いことは、別に、先生に教育されなくても、人間の超自我から、わかるだろうが。もちろん、「戦争」も絶対悪と、教育される。そうしないと、先生から叱られる。

そして、小学生は、教師の言うことに、従って、「いじめ」や「戦争」は、人間として、悪い事だと無条件に信じる。

しかし、歴史というものは、はっきりいって、権力者の、策謀、権力欲、権力奪取のための戦争、差別、ずる賢さ、自国の利益の拡大のための植民地政策、など、人間の、汚さ、の記録なのである。政治の歴史でもある。

「いじめ」や「戦争」は、悪いことと教育されて、それを信じている子供たちに、はたして、人間(権力者)の、ああまで、汚い行動の動機など、わかるはずがないと思う。なので歴史の勉強は、理由は、よくわからないで、ただ、がむしゃらに暗記するだけの勉強になっているのだと思う。

人間でも、権力欲の強い人間と、そうでない人間がいる。ほとんどは、(特に子供は)権力欲などない。そもそも、権力、の意味が、わからないだろう。

子供は、勉強より、当然、遊ぶことの方が好きである。野球やスポーツをやる子なら、チームプレー、みなで協力する、助け合いの精神、ということの大切さ、は知っている。

そういう子供が、権力欲だけで動いている、歴史、などというものが、わかるはずがない。

大人になると、人間の汚さ、がわかってくるから、歴史は必然によって作られてきて、そこに、面白さを感じるのだが。「だから、歴史は面白い」のである。

もし、子供で、歴史が解って好き、という子がいたら、スマートフォンの、ピコピコゲームなど、しないはずでもある。歴史の方がずっと面白いのだから。

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