古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十章 乍恐奉申上返答口上覚ひかえ其の三十

2014年01月21日 04時14分37秒 | 古文書の初歩

 

「乍恐奉申上返答口上覚控え」第五頁、上の九~十行目

 

解読 古證文ニ有田領奥地ヶ谷の奥、霞ヶ谷之口と

    書入、勿論村役人印形御座候得者、當村

 

読み 古証文に有田領奥地ヶ谷の奥、霞ヶ谷の口と

    書き入れ、勿論村役人印形御座候えば、当村

 

解説 「古證文」・・・「右證文」とも見えますが、矢張り「古」でよいと思います。 「有田領奥地ヶ谷の奥」・・・「奥」と言う字が二回続けて出て来ますが、形は違います。下の方が楷書に近い形です。 つまり、有田領は、奥地ヶ谷の奥、霞ヶ谷の入り口までと言う主張になります。 十行目はじめは難しい崩し字ですが、「書入」・・・『かきいれ』です。「書」は形から推定出来ない崩し字の一つです。 「印形」・・・『いんぎょう』と読み、「印形御座候得者」で、「捺印して証明しているので」となります。 最後は「当村」