古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十章 乍恐口上書附 其の四

2014年10月01日 05時32分01秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

「乍恐口上書附」第一頁、上の七~八行目

 

解読 大井関之儀、纔々之谷勢ヲ以御高百石

    余り用水取方仕、永照之節者日損も

読み 大井堰の儀、纔々の谷勢いを以て御高百石

    余り用水取り方仕り、永照の節は干損も

 

解説 「大井関之儀」・・・大井堰の状況は。 「纔々」・・・『さんざん』、「纔」は僅かな様子。ごく少しの。「纔」の字はごんべんの様に見えますが、「纔」と習いました。串本町史でも「纔」と読んでいます。 「谷勢」・・・谷川の水の流れの勢い。「谷」も難解です。 「御高」・・・年貢納付の生産石数。 「百石余り」・・・生産高百石余として。 「用水取方仕」・・・用水取り方仕り。「用」はまともな書き方ですが、「水」が難しい。このページでは三回目です。「取」も難しい崩し字です。形で覚えましょう。 「永照之節者」・・・永照の節は。永い日照りの時は。「節」も難しい崩しです。 「日損」・・・干損。日照りによる損害。 最後の平仮名は「も」です。