古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十章 乍恐口上書附 其の十五

2014年10月12日 05時58分17秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐口上書附」第四頁、上の四~五行目

 

解読 右新溝築方ニ付、少々田地茂荒候へ共、聊之

    義ニ附其田々々ニ而田人凌之筈ニ申詰候事ニ御座候。

読み 右新溝築き方に付き、少々田地も荒れ候えども、聊かの

    義に附き、其の田其の田にて田人凌ぎの筈に申し詰め候事に御座候。

 

解説 「右」・・・右に述べた。 「新溝」・・・「溝」が難解。 「築方ニ付」・・・作る事について。 「少々」・・・難しいです。慣れるが第一。 「田地茂」・・・『でんちも』。水田の土地も。「田」はともかく、「地」が難しい。「茂」は変体仮名の「も」です。 次の難しい字は「荒」です。「荒候へ共」。少し荒れたけれども。 次は「聊之義ニ附」・・・『いささかのぎにつき』、少しだけなので。 「其の田其の田に而」・・・各自自分の田で。 「田人」・・・百姓。農民。 「凌之筈」・・・やりくりして過ごして行く筈。 「申詰候」・・・申し渡して決めました。 「事ニ御座候」・・・事でございます。