古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十章 乍恐口上書附 其の五

2014年10月02日 09時45分06秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

解読 有之場所ニ而、新池御普請奉願度田人共

    願意ニ御座候へ共、難渋村之儀小入用凌方

読み これ有る場所にて、新池御普請願い奉りたき田人ども

    願意に御座候えども、難渋村の儀小入用凌ぎ方

解説 (干損も)「有之場所ニ而」・・・干損もこれ有る場所にて。日照り続きで、田畑が乾いて収穫が減る土地柄で。「有」は何度も出ますが、慣れるまでは難しい。 「新池御普請」・・・新しい池を作る工事。 「普請」という字も中々読めません。 「奉願度」・・・「願い奉りたき」、と読みます。 「田人共願意」・・・百姓どもの願いの気持ち。最後に小さく「共」が有ります。 「御座候へ共」・・・これもよく出る慣用語です。「ござそうらえども」。では御座いますが。「へ」は「得」と書く場合が多い。 「難渋村之儀」・・・貧乏な田舎の村で御座いますから。「渋」も読むのは困難。 次は虫食いで欠けていますが、「小入用」・・・細かい日常の出費。 「凌方」・・・やりくりして日を過ごす事。