古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十一章 儀定一札之事 其の十二

2014年10月26日 04時45分49秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「儀定一札之事」第三頁、上の七~八行目

 

解読 元掛り田地水ニ付、不申内者後地并木の下前

    江水取掛り候儀、嘗以致間敷候事。

読み 元掛かり田地水に付き、申さざる内は後地並びに木の下前

    へ水取り掛かり候儀、嘗て以て致す間敷く候事。

解説 「元掛り田地水」・・・「大井関元掛り田地水」・・・大井関を元々から利用して来た農民の水田用の水」。 「ニ付」・・・であるので。 「不申内者」・・・何も依頼して来ない内は。 「後地并木の下前江」・・・後地地区並びに木の下前地区へ。最後の「下」の次ぎに小さく「前」が有ります。判りにくいですが、古文書では時々こういう書き方もします。 「水取掛り候儀」・・・用水を引く件は。 「嘗以」・・・『かつてもって』今までもこれからも。 「致間敷候事」・・・してはならない。 


第三十一章 儀定一札之事 其の十一

2014年10月25日 05時20分02秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「儀定一札之事」第三頁、上の五~六行目

 

解読 不申由、尤ニ相聞候事ニ御座候。右者毛付

    水等茂仲村地うゐ者勿論、大井関

読み 申さざる由、尤もに相聞こえ候事に御座候。右は毛付き

    水なども、仲村地ういは勿論、大井関

解説 「不申由」・・・申さざる由。 「尤ニ相聞候事ニ御座候」・・・道理に叶っていると聞き取れました。 「右は」・・・以上の事は。 「毛付水」・・・稲の実りの時期に必要な水。 「ホ茂」・・・なども。「茂」は変体仮名の「も」です。 「仲村地うゐ」・・・仲村地区と言う地域の呼び名。


第三十一章 儀定一札之事 其の十

2014年10月24日 06時37分39秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「儀定一札之事」第三頁、上の三~四行目

 

解読 取兼候場所、其上高岡前へ溝路等

    横ニ附候ニ付而者、溝路付所も気ニ叶

読み (水も)取り兼ね候場所、其の上高岡前へ溝路等

    横に附け候に付ては、溝路付く所も気に叶い

解説 「取兼候場所」・・・(毛附水も)「取り兼ね候場所」・・・取るのが難しい場所。「所」が難解です。次行にも出ます。 「其上」・・・其の上。「其」はよく出る文字です。色々な書き方が有ります。 次は「高岡前へ」・・・前に出ました「木下前」と同じく地名の一つです。「高」も「前」も超難解。 「溝路」・・・難しいけど、何回も出て来ます。潅漑用水路。 「横ニ附」・・・高岡の前へ水路をその横に附ける。 「候ニ付而者」・・・候に付いては。横に附ける事に就いては。 「溝路」・・・読むのは困難ですが、前行と同じ言葉。 「付所も」・・・付ける所も。 「気に叶」・・・「気に叶い申さず」と続きます。気に入らないこと。


第三十一章 儀定一札之事 其の九

2014年10月23日 07時37分39秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「儀定一札之事」第三頁、上の一~二行目

 

解読 一、元来仲村うゐ之儀、水廻りも

    阿しき場所ニ而、照模様ニ寄、毛附水も

読み 一つ、元来仲村ういの儀、水廻りも

    悪しき場所にて照り模様に依り、毛附き水も

解説 「一」・・・『ひとつ』、一つ書きの第一項目。 「仲村うい」・・・地名ですが、現在の場所は判りません。多分「後地うい」付近の総称ではないかと思います。 「仲村うゐ之儀」・・・仲村ういと言う所は。 「水廻りも」・・・水利の便も。 「阿しき場所ニ而」・・・「阿」は変体仮名の「あ」で、ここは「悪しき場所にて」となります。「而」も難しい。 「照模様ニ寄」・・・「模様」が難解。日照りの具合に依り。 「毛附水」・・・稲の実りの時に必要な水。「水」も難しい字ですが、回数で覚えましょう。


第三十一章 儀定一札之事 其の八

2014年10月22日 07時59分40秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

「儀定一札之事」第二頁、上の七~八行目プラス九行目

 

解読 大井関田人之衆中より何等宜敷

    御達シ被下、溝路御普請御了簡

    相済候様仕度奉願入候。(本行は脱落しています。)

読み 大井関田人の衆中より、何等宜敷く

    お達し下され、溝路ご普請御了簡

    相済み候様仕り度、願い入れ奉り候。(本行脱落)

解説「大井関田人之衆中より」・・・大井堰を利用している耕作者の皆さんから。 「何等」・・・『なんら』、何も。 次は「宜敷」・・・『よろしく』、「敷」も難解です。 「御達シ被下」・・・お達し下され。 次ぎも読むのは難しいですが、前頁に出ました、「溝路」・・・『みぞみち』、用水路。 「御普請」・・・工事の事。 「御了簡」・・・ご検討。取り計らうこと。 次の行は欠けているのですが、「相済候様仕度、奉願入候」・・・となっています。この一行は画面に出ませんので、お許し下さい。ここは解説は不要と想います。