かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  58 

2020-10-15 18:51:52 | 短歌の鑑賞
ブログ版 清見糺鑑賞  9    かりん鎌倉なぎさの会

58 ゲルニカはさっと見て過ぐつぎの間にガラとおぼしき横顔が見え                                   「かりん」95年11月号
 
 スペイン、ポルトガルを旅したときの歌で、「うしの会」18号(95・6)には「プラド美術館をひとなでする」という詞書き付きで13首ある中の一首。「かりん」11月号には「見て過ぐ」という表題で8首出ているうちの一首。
 ゲルニカは有名な絵だからおそらく黒山の人だかりだったのだろう。だから見えにくい。行列の嫌いな作者は、見たくとも見栄を張ってさっと見ただけで次へ移っていくのだ。一種のやせ我慢である。そして理屈をつける。次の間にはダリ作のガラ(ダリの妻の名)の横顔が見えていたからだと。馬場あき子一行とたどったスペイン、ポルトガルの旅は、大いに歌ごころを刺激したとみえてたくさんの旅行詠が生まれている。「うしの会」だけでも先にもあげた18号「スペイン、ポルトガル素描」として53首、19号に同(二)55首を載せる。

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