かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  81

2020-11-07 17:33:08 | 短歌の鑑賞
    清見糺秀歌研究 ⑥(〇四年九月)     かりん鎌倉支部   報告 鹿取 未放
            


81 四十雀ゴジュウカラ聞くククククク六十からが人生である(96/4)

★下句には井伏鱒二の「サヨナラダケガ人生ダ」の援用がある。これまで苦渋に満ちた人 
 生だったが、それらのしがらみから解放されたのだろう。(田村)
★下句のようにほんとうに本人が思っていたとは考えられない。(大堀)
★四十、ゴジュウ、六十と流れよく、全体に軽く歌っているが、鳥の鳴き声と自分の笑い
 を掛けている「ククククク」あたりにはけっこう屈折した思いがあるのだろう。もちろ
 ん「六十からが人生である」と大まじめに思っているわけではなく、むしろ六十からに
 期待をかけたかったのが本心だろう。祈りだったのかもしれない。(鹿取)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする