アートサロン毎日で開かれた「短歌と書」展に今日行ってきた。
桃太郎と金太郎と勝負することなしされどああ少し金太郎好き
馬場あき子、書は、大谷洋峻
2024年度版 馬場あき子の外国詠58(2012年11月実施)
【ラインのビール】『世紀』(2001年刊)213頁
参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子(紙上参加)、
T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
417 一生を陽灼けしてきたアメリカの年寄ツアー飲まずうたへり
(紙上参加意見)
白人のアメリカ人、肌が白い故によけいに日に焼ける。そのアメリカ人の年寄りである人たちは、ビールを飲まずに賑やかに唄っている。日本人とは違う旅の人たちの様子である。(藤本)
(当日意見)
★なぜこの人たちは飲まないでうたうの?(鹿取)
★この人たちは一生一箇所で働いてきて、やっと違う土地に来たから、飲む時間がもっ
たいないのではないか。(曽我)
★もったいないのは時間であって、お金ではないのね。私はやっと旅費をこしらえて来
たから、飲むお金はもったいないのかと思ったけど。(鹿取)
★飲むよりも陽気に騒ぎたいという気持ちが先行している。(T・H)
★でも、飲んだ方が陽気になれると思うけど。この人たちは長年働き続けて、せめて一
生に一度くらいは海外旅行に行きたいと思ってやってきたのかもしれない。(鹿取)
(まとめ)
アメリカの年寄ツアーの一団はホワイトカラーではない、年寄りになるまで戸外で働いてきた労働者である。だからそんなにお金持ちでもないのだろう。416番歌(長い長いソーセージ二本で飲むビールドイツの秋の陽ざしは静か)と同じ場面だとすると昼下がりだろうか。夜はビールを飲むとしても昼間は節約して飲まないのかもしれない。次の418番歌(嘆きなくうたはぬ日本の女らがビールに眺めるラインの流れ)からすると、このアメリカの年寄ツアーの人達はたくさんの嘆きを抱えているのかもしれない。だからせめて外国旅行の場では何もかも忘れて歌で発散するのかもしれない。しかし、根が陽気な人たちで、外国に来て大いに楽しくなってみんなで唄っているととった方が楽しいかもしれない。(鹿取)