かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 354

2024-11-28 17:01:38 | 短歌の鑑賞
  2024年度版 渡辺松男研究42(2016年9月実施)
    『寒気氾濫』(1997年)【明快なる樹々】P143~
     参加者:M・S、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:鈴木 良明    司会と記録:鹿取 未放


354 野の芹をともに摘みつつ何処にでもいそうでいない君とおもいぬ

     (レポート)
 日常的な暮らしの中で人は、互いにかけがえのない存在になってゆく。特別ではないが、替えるこtぽのできない関係が「何処にでもいそうでいない君」という表現に表れている。上の句で「野の芹をともに摘みつつ」という平凡な行為を詠みながら自然に下の句の思いを導いていて、秀歌になっている。(鈴木)
    
       (当日意見)
★野の芹は清らかな水の流にる水辺に生える。ので、野の芹だけで清潔なイメージを呼
 び出せる。そういう場で共に芹を摘む君のういういしさ、清らかさ、優しさなども感
 じられる。その君に信頼感を抱いている〈われ〉。好きな歌です。(鹿取)
コメント
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