かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 341

2024-11-08 16:29:02 | 短歌の鑑賞
  2024年度版 渡辺松男研究41(2016年8月実施)
    『寒気氾濫』(1997年)【明快なる樹々】P139
     参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部 慧子    司会と記録:鹿取 未放


341 星は冬孤独の位置にそれぞれが張りつめていることの清潔 

      (レポート)
 星はそれぞれの位置にあって互いの隔たりを決して崩さない。その位置関係を星座と呼んでいる。とにかく、動かない、動けない、狎れない、馴れない、その様を清さ潔さとみる。冬は空気も澄んでその状態がきわだつ。(慧子)


   (当日意見)
★「星は冬」と初句切れ、清少納言の「春は曙」のような美意識。(真帆)
★多くの樹木がそれぞれ直立する前の歌(湯気あげて日に乾きゆく杉の幹百本千本なべ
 て直立)から、星の歌に飛ぶ。星が孤独にはりつめているという見方が新鮮。
コメント
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