かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 339

2024-11-06 15:08:56 | 短歌の鑑賞
  2024年度版 渡辺松男研究41(2016年8月実施)
    『寒気氾濫』(1997年)【明快なる樹々】P139
     参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部 慧子    司会と記録:鹿取 未放


339 断言をなしえし後のごとく見え冬陽に浄し欅の幹は

      (レポート)
 葉のちりつくした冬木を言っていよう。枝も含めて冬の樹形をたたえる例は多くみうけられるが、掲出歌は「幹」であることに注目したい。「断言をなしえし後」とあることを考えると、人間だったら胸中、いや精神を思えばよいだろう。その幹が太く真っ直ぐなのだ。そして浄い。(慧子)


      (当日意見)
★人の手で枝を払われた樹形。(M・S)
★自分を貫いて断言をしたときの堂々とした気分、心地よさを欅の幹にみている。葉を
 落としおえただけでなく、枝も整形されてかなり切り払われていたのかもしれない
 が、まっすぐに立つ幹を称える。(鹿取)
コメント
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