かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 27

2022-03-20 13:56:59 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究2の4(2017年9月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【大雨覆】P24~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、A・Y、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆    司会と記録:鹿取未放

     
27 鳥と呼びはてしなき空見上ぐればきらきらと神の花粉は飛べり

       (レポート)
 おお鳥よ!と空ゆく鳥へ呼びかけている作者へ、果てしもなく広がる空から、舞い散るように鳥の糞がふってきたのだろう。木の実を食べ、神の摂理のままにその身を通わせ種子を撒く鳥。陽に輝き神の命の花粉のやうだ、と心を震わせたのではないだろうか。(真帆)


      (当日意見)
★神の花粉だからもっときらきらした綺麗なものだと思います。(曽我)
★私は鳥そのものを神の花粉といっているのだと思います。(鹿取)
★雪にしちゃおかしいなと思っていました。鶴はすごく高いところを飛びますから鶴を歌っている
 のかなと。(A・Y)
★アネハ鶴ですか、ヒマラヤとか越えますよね。でもこの歌では鳥の種類とか場所は限定しなく
 ていいのだろうと思います。空を飛ぶ鳥に崇高さを感じ取っているのでしょう。(鹿取)


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