渡辺松男研究2の4(2017年9月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
【大雨覆】P24~
参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、A・Y、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取未放
26 ひかりより繊きおもいというものを鳥は知りつつ天翔るらん
(レポート)
太陽光が生き物へ与える慈しみより、もっと繊細な恩寵を天(そら)から身に浴びていることを、鳥は自覚しながら翔んでいるのだろう、と鳥への畏敬の情を詠んでいるように思う。(真帆)
(当日発言)
★「ひかりより繊きおもい」というのは誰のおもいなのでしょうか?tレポーターは「天」と書い
ていますが、そういう大いなるものの意志、超越者なのでしょうか? (鹿取)
★夕鶴を思いました。繊いという文字を敢えて使っているから、糸のように切れやすい脆い人との
繋がりということです。人間は裏切った訳ですからね。そういうことを知りながら飛んでいる訳
で、それで畏敬の念もおこるかもしれない。(A・Y)
★いろんな読みがあってよいと思いますが、A・Yさんの説だと「ひかり」と比較する意味合いが
なくなるように思います。繊いは繊細とか細やかさとかそういう時に使うようです。これから鑑
賞する松男さんの歌に「白鳥はふっくらと陽にふくらみぬ ありがとういつも見えないあなた」
というのがあります。この歌の「あなた」と26番歌に書かれていない主体は同じなのかなあと
思うわけです。鳥は愛を伝えたり、子育てしたり威嚇し合ったりしていますが、超越者がわれわ
れを生かしてくれている恩寵のようなものを、思念ではなく直観として知っているのじゃないか
って。(鹿取)
【大雨覆】P24~
参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、A・Y、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取未放
26 ひかりより繊きおもいというものを鳥は知りつつ天翔るらん
(レポート)
太陽光が生き物へ与える慈しみより、もっと繊細な恩寵を天(そら)から身に浴びていることを、鳥は自覚しながら翔んでいるのだろう、と鳥への畏敬の情を詠んでいるように思う。(真帆)
(当日発言)
★「ひかりより繊きおもい」というのは誰のおもいなのでしょうか?tレポーターは「天」と書い
ていますが、そういう大いなるものの意志、超越者なのでしょうか? (鹿取)
★夕鶴を思いました。繊いという文字を敢えて使っているから、糸のように切れやすい脆い人との
繋がりということです。人間は裏切った訳ですからね。そういうことを知りながら飛んでいる訳
で、それで畏敬の念もおこるかもしれない。(A・Y)
★いろんな読みがあってよいと思いますが、A・Yさんの説だと「ひかり」と比較する意味合いが
なくなるように思います。繊いは繊細とか細やかさとかそういう時に使うようです。これから鑑
賞する松男さんの歌に「白鳥はふっくらと陽にふくらみぬ ありがとういつも見えないあなた」
というのがあります。この歌の「あなた」と26番歌に書かれていない主体は同じなのかなあと
思うわけです。鳥は愛を伝えたり、子育てしたり威嚇し合ったりしていますが、超越者がわれわ
れを生かしてくれている恩寵のようなものを、思念ではなく直観として知っているのじゃないか
って。(鹿取)
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