かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の短歌鑑賞  120、121

2021-06-16 17:11:18 | 短歌の鑑賞
120 フランソワーズ・アルヌール扮する娼婦ありき新宿日活名画座の闇
              「かりん」98年11月号

 戦後の都市風俗。おそらく満員の映画館の湿っぽい隠微な闇に蠢いたであろう少年のエロスが感じられる。

121 キューポラのある街などにも美女ありき未来が明るく見えていたころ 
                        「かりん」98年11月号

 下句が切ない。あの時代、真面目に働き、民衆が団結して訴えていけば、平和な時代がきて、みんなが幸せになれるように錯覚していた。


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