かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 71

2020-08-21 19:36:23 | 短歌の鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究 ⑧(13年9月)
      【からーん】『寒気氾濫』(1997年)30頁~
       参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、高村典子、渡部慧子
       司会と記録:鹿取 未放


71 白光にめつむりている白き猫ほあほあと死はふくらみてくる

      (意見)
 ★この猫は既に死んでいるんじゃないですか?柔らかく死んでいる感じ。(曽我)
 ★でも死んでいると面白くない。死にかけてるって事ですかね。(鈴木)
 ★これは死に対する思いじゃないですか。(崎尾)
 ★死んでいたら「めつむりている」とは言わないんじゃないかなあ。死んでいるのでも
  死にそうでもないんじゃないかなあ。白光にめをつむっている猫を見て死の想念が膨 
  らんでいったと読んでいたけど。(鹿取)
 ★崎尾さんが言ったけど、「め」のひらがな表記が生きている。これ「眼」って漢字で
  書くと違うんで、猫がめをつむっているときの感じって、「眼」ではなく「め」(笑)。
  意味だけじゃなく表記も考えている。イメージとして白い猫がこういう状態でいると
  分かりますよね、「死はふくらみてくる」って感じも。確かにこれ死んでいくわけじ
  ゃない。(鈴木)
 ★白光があり、白き猫で、白を用いています。白が生と死を包みこんでいるというよう
  な、白というのはそういう色なんじゃないでしょうか。(慧子)
 ★白だからふくらんでくる。黒じゃやっぱり縮んでいっちゃうもんね。(鈴木)



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