かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 36

2022-03-29 14:21:24 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究2の5(2017年10月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【白根葵】P28~
     参加者:曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子    司会と記録:鹿取未放


36 森深くあゆみ来たれば恋人のうしろにサンゴハリタケがいる

        (当日意見)
★レポーターのいう、恋人と同行したのではないには反対です。森深く女性が一人で行くのは危険
 だし、別々に行く必然性はないし、大事な恋人なんだから一緒に行ったのでしょう。ふっとみた
 ら恋人のうしろにサンゴハリタケが花のように美しい姿で現れた。恋人の美しさと二重写しにな
 っているのでしょう。キノコですから動かないんだけど、「いる」と捉えたのが面白いですね。
 馬場あき子もたくさん植物を「いる」て表現していますが。(鹿取)


     (レポート)
 森深くへ分け入った。同行したのではなく、そこで会った恋人なのだろう。恋人の後ろにサンゴハリタケがいるという。傘のない白くて美しいきのこで、雲のようと例えたきサンゴハリタケである。まるで、恋人がそれに乗って天上界から会いに来ていたごとく。(慧子)

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