欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

1階の広いリビングは耐震性に問題あり

2024年12月24日 10時46分00秒 | 大工に用心

一般的な木造住宅設計では、一階に広いリビングを設計する事が多いです。

しかし、これは住宅の耐震性を考えると、非常に弱い設計なのです。

…と申しますのは、二階と屋根の重量を一階部分の梁と柱が支えるからです。


通常、広いリビングの部屋の真ん中には柱をもうけませんから、リビングの上の二階部分と屋根の重みは、リビングの天井裏にある梁とリビング周辺の柱で支える事になります。

縦荷重はこれで何とか支えられるのですが、問題は横荷重です。

横荷重というのは、強風が家の横壁に吹き付けたり、地震力によって、建物が振られる時に生じる応力です。

この様な横方向からの応力に対抗するのが、耐力壁という壁です。

家のリビングルームの場合、部屋の周囲にしか耐力壁が配置されていない事が多く、この事が、広いリビングルームがあると、耐震性が低くなる原因になっています。

事実、大地震でぺちゃんこに倒壊する家屋の多くは、一階に広いリビングルームがある家が多いです。

…広いリビングルームは、家族団らんの場所として重要なのですが、あまり好ましい設計とは言えないのです。

もしも、どうしても広いリビングルームが必要な場合は、一階に作るのではなく、二階にもってきては如何でしょうか。

この場合、リビングルーム天井裏の梁は、二階の屋根の重みを支えるだけになり、垂直荷重が軽減されます。


この状態でも依然として、横方向からの応力が生じて参りますが、垂直荷重が軽減された状態で、横方向からの応力が加わった方が、建物の応力に対する負担は軽く出来ます。

二階に広いリビングルームがある家が、震災で倒壊する確率は、一階にリビングルームがある場合よりも、格段に低くなります。

よく、大工がこんな事を言いますが、あまり信じない事です。


【大丈夫、大丈夫、丈夫に作れば一階のリビングだって大丈夫‼️】

…一体、どんな証拠や根拠でこんな事を言っているのでしょうか❓

【大工に任せて大丈夫な事は、極稀です‼️】

 

 

いつから、リビングという部屋が、広くなったのでしょうか?

 

昔の昭和の家は、台所は狭かったです。

その狭い台所に、無理やり、食卓テーブルを置いて、家族で窮屈そうにご飯を食べていました。

 

居間は、台所と別にあって、居間は畳の和室で、冬はこたつがありました。

 

『リビングダイニングルーム』

いつしか、20畳もある、広い部屋が出現しました。

 

広いリビングルームは、開放感があって、家族やお客様も集まれる部屋であって、それはそれで良いとは思います。

 

しかし、広い部屋は、冬寒いです。

 

広い部屋を暖めるのに、どれだけ暖房をつけないといけないでしょうか?

 

広い部屋は、電気代がめちゃめちゃかかるだけ。

 

“物価上昇で食費代ケチって、高い電気代を払う”

 

電力会社を食わせるために、高い電気代払うのは、アホ臭いです。

 

理想としては、1000w以下の暖房器具で暖まる部屋で、

『1ヶ月間の電気使用量は、300kwhまで』

というのが、高い電気代にならず、良いと思います。

 

1ヶ月300kwhなら、おおよその電気代は1万円ほどです。

 

物価高騰で生活が苦しい状況で、1ヶ月の電気代に、2万も3万もかけるのは、もったいないです。

物価上昇は、今後も続きます。

企業の人件費と、国の税金・社会保険料が上がってますので、物価は、安くなることはないでしょう。

 

各家庭では、効率良い出費に切り替えていかないと、将来的にお金はなくなっていく一方です。

 

今、見直されている狭い家、タイニーハウスは、今後、需要が出てくると思います。

 

 

 

 

 


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