馬の背を渡り切り、神宮本宮で登山の無事をお祈りして、さあいよいよ最後の急斜面に向かいます。
角度は急ですが、ここには丸太の階段が・・あった・・はず。
いや、前に登った時は頂上まで階段が続いていたのですが、今は残骸らしいものがあるだけでした。
なにしろ20年以上も前のことだし、その後にすぐ新燃岳が大爆発をしたことで降り積もった火山灰に覆われた上に、長期に渡る立ち入り禁止で手入れもできなかったのでしょうね。
またもや3歩進んで2歩下がる状態ながら足場に注意して慎重に登る。
頂上らしきところはかすかに見えているのだが、登れども登れどもなかなか近づかない。
立ち止まってはポールに寄りかかり上を睨んで深呼吸をする。
降りてきた若い女性が「もうすぐですよ、頑張ってください」と声をかけながら軽やかに下っていく。
向こうから見たら息も絶え絶えのお年寄りがゼイゼイ言いながら登ってくる様を見て声をかけずにはいられなかったのでしょうか?
この辺りになると最後の頑張りを出せるようになのか案内板が「あと100m」、「あと90m」と10m間隔で立っていました。
そしてついに登り始めてから約2時間半・・
思いのほか時間はかかってしまったが何とか無事に登頂できたのであります。
今回はだめかなと思いつつも、諦めずに一歩一歩と足を進めることでなんとかゴールできるものですね。😆
山頂は白い霧(雲)に包まれていたので残念ながら想像していたパノラマのような下界をカメラに収めることはできませんでした。
でももうそんなことよりも無事に登り切れた達成感で満足しているオジサンでした。
登山てマラソンと似ているな。
実際走っている時はなんでこんな苦しい思いをして走ってるんだろうと思うけれども、ゴールしてしばらく経つとまた走りたいなあ・・なんて思ったりするものです。
まずは山頂に突き刺さる「天の逆鉾」の前でお辞儀をして記念写真
神話では、まだ地上に陸地がなく、どんよりと漂っていた頃に国づくりを命じられたイザナギとイザナミの夫婦神が矛を逆さに持ち地上に突き立てかき回して引き抜くと、切っ先から滴った雫がオノゴロ島(日本列島の始まり)になったという話があり、その時の矛であると言うことになっております(諸説あります😅 )
かの坂本龍馬も新婚旅行で薩摩に来た時にお竜さんと一緒にここまで登り、いたずらで逆鉾を引き抜いてしまったことをお姉さんへの手紙で書いています。
今の逆鉾は何代目かになるんでしょうが、いつからここに刺さっているのかは最早だれにも分かりません。
ロマンですねえ~😑
まあ神様にまつわる有難いものであることには違いないので、ほとんどの人はここで記念写真をとるのであります。
さあ、目的は達したので白い霧に包まれながら丸太に腰かけて膝の上におにぎり弁当を広げる。
そろそろ降りようかという頃に両太ももが急にピクピクと痙攣しはじめました。
これはいかん、降りられなくなったらどうしようと焦り、リュックに忍ばせていた湿布薬をべったりと張ってマッサージをするオジサン。
大丈夫かな?とおっかなびっくりで降りていくが・・。
おぉ、登りに比べたら下りのなんと楽ちんなこと。
重力の御蔭ですいすいと足が前にでる!なんて調子に乗って前の中年御夫婦を抜き去ろうとした瞬間、砂混じりの砂利に足を取られてズルズル。
しかもすぐには止まれないのでそのままスッテンと気持ちの良いくらい派手に転倒して尻もちを着く。
あまりにも立派な転倒を見せられた奥さんは少し笑いながら「だ、大丈夫ですかあ?」と声をかけてくれる。
「はは、滑りますねぇ」と笑ってごまかしながら砂を払って先に進む。
前につんのめると危険ですが、後ろはリユックが安全装置になるのでお尻を打つくらいで大丈夫です。
その後、小さな転倒2回、未遂3回ほど・・
馬の背まで降りてきて、振り返り山頂を望む。
良く登ったなあ・・それにしても今になって山頂も晴れてるじゃないか?
光の具合も変わり、景色も微妙に変化して美しい。
奈落の底・・・押すなよぉ、押すなよぉ・・
↑ こ、これも絶対に押すなよぉ・・
最後の御鉢の岩肌を下りる時が一番怖かった。
ここで転べばごつごつした岩で大けがをしそう。
降りるときに気が付いたが、登山ルートには黄色のマークが付けられているではないか?
登るときはやみくもに全く外れた砂利の部分を必死に登っていたらしい。
そんなこんなでなんとか無事に生還いたしました。
登山口のビジターセンターでは霧島の歴史に関する映画、資料を見ることができます。
坂本龍馬が書いたイラスト入りの手紙が興味深かった。
山頂までいけない人のために逆鉾のレプリカも展示されておりました。
神様!世界が平和になりますように・・
四国の石鎚山を登り、一昨日から九州にお邪魔しています。
今日は雨なので、明日は久住へ行こうと思っています。強風みたいだけど苦笑
高千穂峰も夫が龍馬が抜いた逆鉾を見たいというので候補に入っています。
楽しく読んでいたら、火山特有のスコリアの道が難儀しそうですね。
でも、どこのガイドブックやブログやYAMAPより、歴史や山容がよく伝わってきて、ますます行きたくなりました♪
登頂おめでとうございました㊗️
昨日から阿蘇にいます。車で中岳からの噴煙を見て来ました。根子岳もギザギザしていて気になります。この辺りの山容は、本州にはない独特な風景で素晴らしいですね
ヽ(´▽`)/
コメントありがとうございます。
いゃあ、山歩きのベテラン夫婦様には霧島なんかハイキングみたいなものですね、いろんな山の景色を見ながらの二人旅、羨ましい。
霧島連山は新燃岳が噴火する前はいろんなタイプの山を楽しみながら縦走できましたが、今は中央が立ち入り禁止なので両端の高千穂峰か韓国岳かになってしまい残念です。気を付けてゆっくり楽しまれてくださいね😊