あのうの幸せトンボ

日々の何気ない出来ごとを、思いつくままに……。

つばめ

2012-05-11 23:48:58 | 日記
わが家の門に今年も燕が1羽来た。
しかし、例年とは違い巣を作らない。
門と言ってもわが家の門はくぐり戸が横にあり、門長屋と一体型で
時代劇に出てくるような大きな板の扉があり屋根付きである。
門の梁に巣の落下防止のために取り付けてある葉書き2枚程の
板へ夕方になると泊まりに来て朝になるとそこから出勤する。
宿舎と思っているようである。

実は昨年、巣が連日の暑さと乾燥のため梁より外れて落下した。
巣の中にいた未だ羽毛も生えていない子燕たちは死んでしまったが
1羽だけ生きていたのでわが家のドラミちやん(猫)に食べられないように
巣は壊れてしまったので、花苗用の小さなポットを巣の代用にし、
中へ枯れ草を入れ、その上に子燕を入れて梁へ取り付けた。
鳴きながら様子を見ていた親ツバメは、何度もポットの下を飛び交っていた。
が、意を決してポットに足をかけ、中の子供に餌を与えた。
ポットが安全な物だとわかってからは日に何度も餌を与えに来て
とうとう育て上げ、子燕は成鳥となってわが家から飛び立って行った。
その一部始終を毎日観察して私はいたく感動したものだった。

その成長した燕が1年してわが家へ迷わず帰ってきてくれたのだ。
しかし、ポットの巣で大きくなった故、巣作りが分からないのだろうか、
昨年飛び立つ前も今、泊まりに来ている板に止まっていたから、
それが家だと思っているのか?
巣作りを教えてくれる親はもう死んでしまったのか?
いい相手はいないのか?
色々と聞きたいことはあるが、残念ながら聞く術がない。

結婚もしないで子供も作らずにこの燕はまた、南の国へ旅立つのか…。
毎日、門の下を通るたびにやきもきしながら見上げている私である。




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