10月も終わった。
今年は濃いフィールドワークに恵まれたが、普遍的なフィールドワーク
は殆ど出来なかった。特に9~10月の野山の普通種巡りは全くできなか
った。まあ、欲を言えばきりがないことで、遠征の成果があったのは、
むしろとても良かったことであった。
さて、当方10月後半に入った頃、ずっとつながっていた仕事の波から
予定通り解放された。
まだしばらくは暖かい日が続くようなので、シーズン末のトンボを楽しみ
つつ、K20Dの試写を出来るだけ多くこなしたいところである。
シーズン末と言えば、キトンボの撮影がメインテーマになる。
しかし今年は何となく入った感が強く、どうももう一つ集中出来ない。
毎年の課題である飛翔撮影、特に連接産卵の撮影も今までのところ
良いチャンスに恵まれたが、結局、どこか遠慮した感があり、もう一歩
踏み込めていない。
まずは、キトンボと言えば♂のホバリング。
非常に敏感なトンボで近づくとホバー位置を変えてしまい、良い光線状態
で写せる機会は少ない。去年あたりから300ミリが欲しいなーと思いつつ
200ミリで頑張っているのだが、運良く射程距離に入れても逆光できれい
に写らなかったりとかが多いばかりか、微妙にピントを外すことも多い。
これはマシな方だが、複眼にピンは来ているものの、あちら側を向いてしまっている。
バックが良ければいいのだが。キトンボは特にバックにこだわりたいトンボだ。
今回は緑が多く、それも自然な感じでいいんだが、やはりキトンボと言えば、水面の青
と一緒に写しこみたいものである。
これは運良く射程距離に入りしかも日照があたったラッキーな例。
翅の色がよく出るし、目の透明感も出る。これで数枚良いのが撮れた。
露出はカメラ任せではまだ信用出来ないので、マニュアル設定値に
固定である。これで大抵の撮影はうまくいく。あとは、雲の状態や
反射のきつさ加減で適宜変える。
たまたま見つかった1.5倍テレコンをかませて撮った例。
ファインダーに入れた瞬間、この画角だよ!と思った。
露出倍率も上がるので、絞りとシャッターはそのままで、ISOを400へ。
しかしケンコーの古いテレコンということもあり、画質はがた落ち。
うっすらとモヤがかかってしまっている。
やはりDA300F4を買おうか・・・しかし、オフに買うとその先が長いから
あと数ヶ月様子を見た方が良いだろう。。。
お次は連産。チャンスも少なかったので、もう一つピリッと来ない。
反射を入れたが、ストロボを併用した画像も撮りたかった。
一度長時間連産してくれる絶好のチャンスがあったので、テレコンをかまして撮って
さらにテレコンを外して撮りまくった。でも、絶好のチャンスなのに気持ちが乗らず、
どうも手応えが薄かった。。。
数打てば良いわけではない。ちゃんと見極めて落ち着いてシャッターを切るべきなの
だ。案の定、テレコンをかましたカットは全滅!せっかくの好機に、もったいなさ過
ぎである。
200ミリだけで写した何枚かがまあまあ見られる感じだった。距離が若干あるので、
バックも選びたいがなにしろ真横を向かせるだけでも一苦労。キトンボの連産はいか
に相手に気づかれずに近づけるか?が勝敗の分かれ目だろう。横移動厳禁戒(苦笑)
手応えは自分の場合、ある程度の大きさでピントがきた状態でシャッターが切れたという感覚。
ぶっちゃけ、撮りたいのはトンボだから、構図やその他は自分にとっては究極的にはどうでも
よいのだ。ただ、手応えの無かったショットでも後で見ると面白いのがたまにある。
カップルが浮かび上がった瞬間がチャンスなので、そういうショットが多くなってしまう
中、これは動感が割と出せたショットかと思う。♀が後足を伸ばしているのは、ショックを
和らげるためかもしれない。
同じく、♂はOOFだが、♀を必死に導こうとして焦っている感が出ている。
♀はこの時、足下の石にしがみついていたのだ。実はこのカップルは、♀が相当
弱っていて、♂の動きだけが元気だった。♂と♀の駆け引きも見ているとなかな
か面白い。別のカップルでは、産卵を♀が途中で嫌って連結を解き、高空に逃げ
その後をまず連結していた♂が追うが、♀は蛇行飛翔して体全体でイヤイヤを表
現。直後、別の♂がアタックしたが、同じく蛇行飛翔で拒否。♀はいったいどの
くらいの高さまで逃げるのだろうか。
キトンボは機会があればシーズン内に再度チャレンジして、納得のいくショットを納め
たいものだ。。。
連産と言えば、アカトンボのそれはなかなかショットに納めるのが難しい。
♂だけ♀だけなら比較的ピントは合うが、♂♀両方に合わせるのが難しいというわけだ。
そのためには真横を向かせるか、肩口から狙うか、広角で攻めるかということになる。
これは肩口から攻めて成功した例。草むらに隠れているのは少々もったいないが、
まあ臨場感は出ている。マユタテだから気にならないのかもしれないが笑い。
過去、広角でもマユタテの連産のいい感じのショットを何枚か撮れたが、彼らは
飛翔高度がさほど高くなく振り幅が小さいために成功しやすいのかもしれない。
対して、ミヤマアカネの連産の撮影は非常に難しい。
キトンボ並に敏感だし、落ち着きはもっとない。従ってなかなか落ち着いたアングルから
狙えないのだ。まあ、ミヤマアカネに夢中になって本命を見逃したらシャレにはならない
ので、今年もミヤマアカネの成功ショットは当然ナシ。。。
お次はアカネのポートレート。
ナツアカネの♂は最近なかなか出会えなくなった。
以前は家の近所でも結構見られたが、今年は少ない年にあたったようだ。
山間の休耕田でやっと♂に遭遇。
しかしありがちなことだが、翅で胸を隠してしまう。
翅を持ち上げた格好いい綺麗なショットは撮れなかった。
オートフォーカスがほしくなる瞬間でもある。
ちなみにK20Dのキャッチインフォーカス機能はトンボ撮影には
あまり使えないと考えた方が良さそうだ。ポートレートでは、後日
ちゃんと試してみたいが。。。
♀は地味だが、雰囲気がやはりアキアカネとは違う。ぎゅっと詰まった雰囲気がある。
逆光になってしまったが、デジカメのネガ並のラティチュードの広さで何とか
ここまで再現出来る。
アカネのトリはこれ。近年、生息域を狭めてきたという表現がピッタリの存在になって
しまった。探せば、丘陵地でもちょこちょこ見つかるが、このアカネはアキアカネなど
とまた違い、農業の営みに「間接的」に関わっているから余計保護が難しい。
おまけにかなり敏感で近寄ることが難しく、止まる位置も低いので、撮影は難しい。
本種の生息する湿地は、放っておくと雑草が侵入しどんどん草地になってしまう。
草の茂りはじめた微妙な環境に住む本種やモートンイトトンボは、どんどん姿を
消している。モートンや本種が見られる一つの基準は農薬を使わないことである。
だから谷津田の上の方でだけ見られるのかもしれない(勿論他の要因もあるが)
撮影時もやたらにアワダチソウの類が目についたので、片っ端から折ったり抜いたり
して少しばかり環境維持を試みた。
微力ではあるが、これも一つの管理であると信じたい。
余裕があったら思う存分綺麗にとってあげたい存在のオオアオイト。
そういう意味で自分中では初夏のミヤマカワトンボと共通する存在。
溝になっているところの下草に止まったので、一旦おりて撮影したが
足場が悪く苦労した。しかも上がるときにもっと難儀をした。笑い。
今シーズンの地元近辺での一番の収穫はある意味これだったかも?
県南の方では全然稀ではないが、当方の近くではまず見たことはなかった。
水際のイトトンボは、特にこの時期など陽光をまともに浴びているので、バックとの
露出関係が以外と難しい。こういう場合トンボ本体はかなり反射率が高く、バックの草は
普通の露出で行けるから面倒なのだ。この♀は食餌中であまり敏感ではなかったので、
むしろ思い切って自分の影で覆って露出を日陰に合わせて写すと良いのかも?と思ったが
後の祭り。ただ、そういったシャドウの撮影では、K20Dはノイズが目立ちやすいという
うらみがある。
」
最後は特に珍しくもないアジアイトトンボの交尾。
草むらで逆光気味のロケーションなので面白そうと思って写したが、足場も悪く、
あまりあれこれ試せなかった。
さて今シーズンも残り僅かだ。
今年は、この時期になって比較的暇になったので、シーズン最後のトンボを見送れそうである。
トンボをやり始めてからなかなか出来なかったことなので、もうすこしくすぶってみたい。
今年は濃いフィールドワークに恵まれたが、普遍的なフィールドワーク
は殆ど出来なかった。特に9~10月の野山の普通種巡りは全くできなか
った。まあ、欲を言えばきりがないことで、遠征の成果があったのは、
むしろとても良かったことであった。
さて、当方10月後半に入った頃、ずっとつながっていた仕事の波から
予定通り解放された。
まだしばらくは暖かい日が続くようなので、シーズン末のトンボを楽しみ
つつ、K20Dの試写を出来るだけ多くこなしたいところである。
シーズン末と言えば、キトンボの撮影がメインテーマになる。
しかし今年は何となく入った感が強く、どうももう一つ集中出来ない。
毎年の課題である飛翔撮影、特に連接産卵の撮影も今までのところ
良いチャンスに恵まれたが、結局、どこか遠慮した感があり、もう一歩
踏み込めていない。
まずは、キトンボと言えば♂のホバリング。
非常に敏感なトンボで近づくとホバー位置を変えてしまい、良い光線状態
で写せる機会は少ない。去年あたりから300ミリが欲しいなーと思いつつ
200ミリで頑張っているのだが、運良く射程距離に入れても逆光できれい
に写らなかったりとかが多いばかりか、微妙にピントを外すことも多い。
これはマシな方だが、複眼にピンは来ているものの、あちら側を向いてしまっている。
バックが良ければいいのだが。キトンボは特にバックにこだわりたいトンボだ。
今回は緑が多く、それも自然な感じでいいんだが、やはりキトンボと言えば、水面の青
と一緒に写しこみたいものである。
これは運良く射程距離に入りしかも日照があたったラッキーな例。
翅の色がよく出るし、目の透明感も出る。これで数枚良いのが撮れた。
露出はカメラ任せではまだ信用出来ないので、マニュアル設定値に
固定である。これで大抵の撮影はうまくいく。あとは、雲の状態や
反射のきつさ加減で適宜変える。
たまたま見つかった1.5倍テレコンをかませて撮った例。
ファインダーに入れた瞬間、この画角だよ!と思った。
露出倍率も上がるので、絞りとシャッターはそのままで、ISOを400へ。
しかしケンコーの古いテレコンということもあり、画質はがた落ち。
うっすらとモヤがかかってしまっている。
やはりDA300F4を買おうか・・・しかし、オフに買うとその先が長いから
あと数ヶ月様子を見た方が良いだろう。。。
お次は連産。チャンスも少なかったので、もう一つピリッと来ない。
反射を入れたが、ストロボを併用した画像も撮りたかった。
一度長時間連産してくれる絶好のチャンスがあったので、テレコンをかまして撮って
さらにテレコンを外して撮りまくった。でも、絶好のチャンスなのに気持ちが乗らず、
どうも手応えが薄かった。。。
数打てば良いわけではない。ちゃんと見極めて落ち着いてシャッターを切るべきなの
だ。案の定、テレコンをかましたカットは全滅!せっかくの好機に、もったいなさ過
ぎである。
200ミリだけで写した何枚かがまあまあ見られる感じだった。距離が若干あるので、
バックも選びたいがなにしろ真横を向かせるだけでも一苦労。キトンボの連産はいか
に相手に気づかれずに近づけるか?が勝敗の分かれ目だろう。横移動厳禁戒(苦笑)
手応えは自分の場合、ある程度の大きさでピントがきた状態でシャッターが切れたという感覚。
ぶっちゃけ、撮りたいのはトンボだから、構図やその他は自分にとっては究極的にはどうでも
よいのだ。ただ、手応えの無かったショットでも後で見ると面白いのがたまにある。
カップルが浮かび上がった瞬間がチャンスなので、そういうショットが多くなってしまう
中、これは動感が割と出せたショットかと思う。♀が後足を伸ばしているのは、ショックを
和らげるためかもしれない。
同じく、♂はOOFだが、♀を必死に導こうとして焦っている感が出ている。
♀はこの時、足下の石にしがみついていたのだ。実はこのカップルは、♀が相当
弱っていて、♂の動きだけが元気だった。♂と♀の駆け引きも見ているとなかな
か面白い。別のカップルでは、産卵を♀が途中で嫌って連結を解き、高空に逃げ
その後をまず連結していた♂が追うが、♀は蛇行飛翔して体全体でイヤイヤを表
現。直後、別の♂がアタックしたが、同じく蛇行飛翔で拒否。♀はいったいどの
くらいの高さまで逃げるのだろうか。
キトンボは機会があればシーズン内に再度チャレンジして、納得のいくショットを納め
たいものだ。。。
連産と言えば、アカトンボのそれはなかなかショットに納めるのが難しい。
♂だけ♀だけなら比較的ピントは合うが、♂♀両方に合わせるのが難しいというわけだ。
そのためには真横を向かせるか、肩口から狙うか、広角で攻めるかということになる。
これは肩口から攻めて成功した例。草むらに隠れているのは少々もったいないが、
まあ臨場感は出ている。マユタテだから気にならないのかもしれないが笑い。
過去、広角でもマユタテの連産のいい感じのショットを何枚か撮れたが、彼らは
飛翔高度がさほど高くなく振り幅が小さいために成功しやすいのかもしれない。
対して、ミヤマアカネの連産の撮影は非常に難しい。
キトンボ並に敏感だし、落ち着きはもっとない。従ってなかなか落ち着いたアングルから
狙えないのだ。まあ、ミヤマアカネに夢中になって本命を見逃したらシャレにはならない
ので、今年もミヤマアカネの成功ショットは当然ナシ。。。
お次はアカネのポートレート。
ナツアカネの♂は最近なかなか出会えなくなった。
以前は家の近所でも結構見られたが、今年は少ない年にあたったようだ。
山間の休耕田でやっと♂に遭遇。
しかしありがちなことだが、翅で胸を隠してしまう。
翅を持ち上げた格好いい綺麗なショットは撮れなかった。
オートフォーカスがほしくなる瞬間でもある。
ちなみにK20Dのキャッチインフォーカス機能はトンボ撮影には
あまり使えないと考えた方が良さそうだ。ポートレートでは、後日
ちゃんと試してみたいが。。。
♀は地味だが、雰囲気がやはりアキアカネとは違う。ぎゅっと詰まった雰囲気がある。
逆光になってしまったが、デジカメのネガ並のラティチュードの広さで何とか
ここまで再現出来る。
アカネのトリはこれ。近年、生息域を狭めてきたという表現がピッタリの存在になって
しまった。探せば、丘陵地でもちょこちょこ見つかるが、このアカネはアキアカネなど
とまた違い、農業の営みに「間接的」に関わっているから余計保護が難しい。
おまけにかなり敏感で近寄ることが難しく、止まる位置も低いので、撮影は難しい。
本種の生息する湿地は、放っておくと雑草が侵入しどんどん草地になってしまう。
草の茂りはじめた微妙な環境に住む本種やモートンイトトンボは、どんどん姿を
消している。モートンや本種が見られる一つの基準は農薬を使わないことである。
だから谷津田の上の方でだけ見られるのかもしれない(勿論他の要因もあるが)
撮影時もやたらにアワダチソウの類が目についたので、片っ端から折ったり抜いたり
して少しばかり環境維持を試みた。
微力ではあるが、これも一つの管理であると信じたい。
余裕があったら思う存分綺麗にとってあげたい存在のオオアオイト。
そういう意味で自分中では初夏のミヤマカワトンボと共通する存在。
溝になっているところの下草に止まったので、一旦おりて撮影したが
足場が悪く苦労した。しかも上がるときにもっと難儀をした。笑い。
今シーズンの地元近辺での一番の収穫はある意味これだったかも?
県南の方では全然稀ではないが、当方の近くではまず見たことはなかった。
水際のイトトンボは、特にこの時期など陽光をまともに浴びているので、バックとの
露出関係が以外と難しい。こういう場合トンボ本体はかなり反射率が高く、バックの草は
普通の露出で行けるから面倒なのだ。この♀は食餌中であまり敏感ではなかったので、
むしろ思い切って自分の影で覆って露出を日陰に合わせて写すと良いのかも?と思ったが
後の祭り。ただ、そういったシャドウの撮影では、K20Dはノイズが目立ちやすいという
うらみがある。
」
最後は特に珍しくもないアジアイトトンボの交尾。
草むらで逆光気味のロケーションなので面白そうと思って写したが、足場も悪く、
あまりあれこれ試せなかった。
さて今シーズンも残り僅かだ。
今年は、この時期になって比較的暇になったので、シーズン最後のトンボを見送れそうである。
トンボをやり始めてからなかなか出来なかったことなので、もうすこしくすぶってみたい。