Days of Dragonflies & Moths

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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第弐拾巻 待望のオオシロ!

2011年08月29日 | 


もうすぐ終わってしまう子供の夏休みを惜しみ、思い切ってここは一つ派手に蛾遠征に
出かけることにする。昨年あたりから蛾探索をほとんどしなくなり、たまに自宅に新顔が
飛来したり、昼間のフィールドでたまたま新顔を見つけるくらいで、蛾画像ストックは、
ほとんど増えていない。

8月終わりに遠くの山奥へと繰り出すのは初めてのことで、どんな蛾相が見られるのか?
ちょっと楽しみではあった。

子供を連れ夕方に家を出奔し目的地へと向かう。
途中、道の駅に立ち寄り用を足すと、いきなりの新顔!スモモエダシャク。



色々変異のあることで有名な蛾だが、実はお目にかかるのは初めて。
これは幸先が良いかも?

さて、夕飯を済ませ、早速蛾探索に取りかかるが、蛾好きの次女はなぜかその夜ポケモンにはまって
しまって蛾探索に興味を示さない。
しかたない!ここは単独行で・・・大人一人で蛾を漁るのは久しぶりなのもあってちょっと気が引けてしまう・・・苦笑。

そんなこんなで、トイレや自販機を見回るが、この時期はやはり通称「柿の種」(ホソバの類)が圧倒的に多い。。。
あと、ヒゲナガカワトビケラの仲間とか。。。蛾の数は少なくはないが、マイマイ系と地味シャク
ばかりでなかなか「これは!?」というのが現れない。



左:ちょっと風変わりなヤガ。クロフトビイロ系だと思っていたが、近似のキミミヤガ(初)でよさそう。
左中:コケエダシャク(初)。色の印象は違うが、ナカウスエダシャクの仲間だ。そう思って見るとなるほど似ている。
右中:地味なツマキリアツバ系なので怪しいと思い、念のために写しておいたら案の定、初顔のシロモンツマキリアツバ。
右:初顔のウスイロカギバ。ストロボを使わずに油断してぶれてしまったが、まあ気にしない。



左: ヤガ系ではこの晩よく見かけた。Cosmiaのイタヤキリガ(これも多かった)を一回り大きく長くした雰囲気で、モンヤガにも見えるが、
調べたらウスシタキリガ(初)だった。期待のモンヤガは、ミヤマアカヤガらしき綺麗な一個体と、オオアオバヤガ、シロモンヤガを見かけ
たくらいかな~。少なかった。
左中:ツマキエダシャク(初)。以前人のを同定したので覚えていたが、実物は初めてだと思う。
右中:クロオオモンエダシャク(初)。名前の割には小さいエダシャクで、なぜか印象に残っていたので、姿を見てすぐにピンと来て写した。
右: キタエグリバ(初)。レンズ交換しようと車のバックドアを開けたら車に入り込んできてしまったところを記念撮影。オオエグリバよりも
一回り小さい印象だ。

そんな具合で思ったより初顔は多く出た(他に、ノムラツバメエダシャク、ツツミノガsp.の初顔、Archipsの新顔クロタテスジ?都合初物13種で
通算1580種になった。蛾への興味が薄れて1500台で打ち止めかと思っていたが、地道に行けば1600も狙えそう?)が、もう一つパッとしない。。。

もう少し気の利いた大物を・・・と言うのも、時期的に8月下旬。オオシロシタバあたり出てきても良いんでないの?と一応期待していたのだ。
しかし、カトカラは、地味なヨトウ風にしか見えなかったノコメキシタバ一頭とお馴染みワモンキシタバ少々・・・(ひょっとして
ケンモンがまじってたかも?)くらいなもので、大きいのは大体マイマイ蛾の仲間ばかり。



左) 最初は半端に大きいヨトウ系に見えて一応撮影。ベース基地に戻り画像チェックしていてカトカラと気づく。  
右) 白っぽいのでひょっとしてミヤマ?と思い焦って現地に戻り写すが・・・ノコメでした~。



そう言えば、この晩、大型種ではこの姿が結構目立った。時期がもっと早ければジョウザンが狙えたのだが、今はヒトリガが旬のようだ。
後翅の黒点は照らすとまさに墨のように黒光りするのが印象的だった。蛾探しに参加しない子供に見せると、とりあえず手乗りはさせた。

夜も更けてきたので、途中通過した一番効果の高そうな明かりの場所へ。。。
やはり結構蛾が集まっているようだが、ちょうど目線の高さにいきなりそれを発見してしまった!



オオシロシタバ!
大型カトカラの中では今まで縁がなかったが、やっと出会うことが出来た。
それにしてもこのオオシロシタバ。確かに開張80ミリ強と本邦産シタバガの中でもビッグ3に入るが、
ナンバー2のシロシタバより一回り小さいのだ。昔、学校の図書館で見た図鑑の一つでは、オオシロシ
タバがシロシタバ、シロシタバがオオシロシタバと誤記されていたが、その方が正しくはある。



せっかくなので、羽を開かせて記念撮影。