
茂内駅の大館より場内信号機です。通過信号が付帯された腕木信号機は他では見られないのではないでしょうか? 09,05,02
2日は白沢で1001レ”あけぼの”撮影後、東北自動車道小坂インターまで旧小坂鉄道沿いを走りました。08年03月に運転を終了し同年4月廃止されて1年以上経過した同鉄道ですが廃線跡はどの程度残っているこの目で確かめたいと思い、少し寄り道をする事にしました。
国道を南下し大館市内に入る少し手前短絡し、しばらく走ると旧小坂鉄道の線路が見えてきました。さすがに踏切は警報機にカバーがされていましたが見た限りはレールは剥がされる事なくまるで現役の様に見えました。鹿島鉄道が廃止された時はくず鉄が高騰していた時期でもあったため、あっという間にレーが剥がされ、保存以外は車両も解体されてしまったので、旧小坂鉄道も似た様な状況ではないかと予想していました。しかし、それは大きな見込み違いとなりました。
しばらく旧小坂鉄道沿線を走ってみて、ふと気がつく事がありました。それは”これだけ現役当時の姿が残っているなら沿線の駅もそのままではないか”と言うことです。早速、茂内駅に入る小道にハンドルをきりました。そして駅に近づくと腕木信号機が見えてきました。”あっ、そのままだぁ!”と声をあげしまいました。それだけで心が踊る思いでしたが、現役当時と何ら変わらない駅舎が見えてくると驚きと懐かしさがこみ上げてきました。足しげく通ったとは思いませんが、何度か訪れた駅が廃止され久しい鉄道設備が残っているとは奇跡に近く、素直に感動を覚えました。
駅構内をくまなく歩いてみると線路が錆付いていること腕木信号機を動作させるワイヤーに蔦が絡まっている以外は廃止されたとは思えないくらいの状況です。駅舎内のロッカーには未だに俗人名が掲げられ、茶器もそのままであることが窓越しにわかります。またタブレット授受器もそのままに残されていました。ただダイヤや鉄ちゃんから贈られた写真が一箇所にまとめられていて、それが廃止されたと言う事実を教えてくれるようです。とは言うものの”今は連休中で運休していますが、連休明けにはまた運転が再開されます”なんて地元の方に言われたら本気になってしまう様な雰囲気でした。
また、小坂駅構内にも立ち寄りましたが、ここも構内は現役そのままで機関車は機関庫に大切に色あせることなく保管されていました。
休止ならともかく廃止された線区の復活など、おいそれとは出来ない事はわかっていますが、ここまで現役当時の姿が残っていると復活の二文字を期待してしまいます。

不意に後ろから”列車が来ますよぉ!”と注意されそうなくらいに現役そのままの茂駅構内です。 09,05,02

茂内駅構内にはトキとトラが留置されていました。トラは何か重たいものが偏荷重に積んでいるらしく小坂よりに傾いていました。 このまま地に帰ってしまうのでしょうか? 09,05,02