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私にとって北上線の撮影地と言えば相野々のΩカーブより、この横目川の築堤が頭に浮かびます。昔はもうすこし高い位置で撮影したのですが、樹木が伸びて今は線路とほぼ同じ高さでに足場があります。画像はかなり明るく見えますが、これはデジカメの成せる技で(なんたってISO800相当で撮影しています)、実際はかなり暗くリバーサルは開放でも暗いので撮影は諦めた程でした。 11,08,12 横目川-岩沢 う9025 ISO800 1/400 f4 Canon EOS7D
7月30日に発生した大雨による上越線の輸送障害の影響で全区間運休が続いていた゛あけぼの゛ですが8月10日~12日は上野・青森相互発で東北線・北上線経由の迂回運転される事になりました。この迂回運転は8月に入ってからすぐに計画が上がり準備出来次第迂回運転開始と言う事でしたがなかなか調整がつかず、結局はたった三日間だけの迂回運転となってしまいました。(上越線の輸送障害も13日には解消され、不通区間はなくなるそうで、13日から゛あけぼの゛は所定ルートで運転可能となります。)
たった三日間の迂回運転とはなってしまいましたが、最近は乗客を無視し安易に全区間運休にしてしまう悪き慣行がJR東日本ではまかり通ってしまっていますので、迂回運転自体が大変珍しくなっており、さらに北上線内ではDE10の重連で牽引すると言うので私たちの絶好の被写体となった事は言うまでもありません。ただ迂回運転される期間の北東北はなかなか天気が安定せずヤキモキしましたが、そうは言っても久々の迂回運転と言う事もあり、撮影も大事ですがDE10の重連牽引の゛あけぼの゛など最後になる可能性もあり、とりあえず眼に焼き付けるつもりで出撃する事にしました。
急遽の出撃となったために前日(11日)からかなりのハードスケジュールになってしまいました。11日は一交勤務を09:57に終え、手際よく着替えて10:07の列車に乗って帰宅。自宅滞在時間約40分で最低限の身支度をして東京駅に向かいました。11日は最繁忙期で、さらに出撃最終決断が直前だったために東北新幹線の指定席は終日満席で、致し方なく東京駅で自由席で座席を確保する事にしました。
乗車予定の゛やまびこ゛は東京駅14:40発です。東京駅東北新幹線ホームに着いたのが14:20過ぎでした。すでに発車時刻20分を切っているのに゛やまびこ゛の自由席の途列は10人程度で指定席の発売状況から考えるとなんとも拍子抜けの光景です。ここ数年、特に顕著なのが指定席志向の強さです。繁忙期になればなるほど、その傾向は強くなります。だから列車の指定席・自由席の比率も指定席が多くなっています。今のご時世だと全車自由席の優等列車(かつての急行゛東海゛や゛比叡゛あるいは゛おくいず゛など)などあり得なくなっている事を実感した瞬間でした。
繁忙期の自由席でドアが開いた瞬間の喧騒もなく、余裕でE席を確保しホームで買い込んだ缶ビールを呑んだら半日の緊張感が解け、明け番の疲れが襲いかかるようにやってきました。
赤羽駅付近では猛烈な夕立で列車に叩きつける雨音が車内でもはっきり聞こえる程でしたが大宮駅は快晴でした。この辺りで眠気がピークに達し、次に気がついたら列車は福島を過ぎて越河の峠でした。
指定席は満席なのに自由席は仙台駅からは空席さえある状況で、盛岡駅到着場面での自由席乗車率は5割強と言った感じでした。
盛岡に到着後はキャンセル料が無料なのでもしもの出撃に備えて事前に予約していたホテルにチェックインしていると、今日の撮影を終えた青年部長がやってきました。合流し駅前の居酒屋に向かい、今日の結果報告と明日の戦略検討に入ります。私は明け番、青年部長は夜中も迂回゛あけぼの゛を撮影していたのでお互いに極度の睡眠不足のために、居酒屋を20時前に出てホテルのベッドに潜り込みました。
予定は青年部長にお任せなので指示に従うしかないのですが、その指示は12日の出発はなんと02:50との事。前日は仕事で01:50に起床しているので明け番なしで二徹している様なものです。ベッドどう入ったかの記憶も無い程にいつしか寝てしまっていた様です。
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初めて訪れた時と同じ姿を残してくれていた黒沢駅舎です。当時と変わった事と言えば駅員がいなくなってしまった事です。 11,08,12 黒沢駅舎 Canon EOS7D
目覚まし時計で02:30に起こされシャワーを浴びていると青年部長からホテル前にいるから早く出場する様にと催促のメールが入って来ました。慌ててホテルを出ようとするとフロントでデリヘル嬢らしきケバい小姐とすれ違いました。仕事とは言えこんな遅い時間まで大変だなぁ~と思いましたが、どちらかと言うと誰に頼まれた訳でもない趣味なのにこんな時間にホテルをチェックアウトしなくてはならない私たちの方が大変なのかもしれません・・・(笑)
ホテルを出発し、まずはこの日の足としてお世話になった車のオーナーのマチさんを盛岡中心部で拾ってから東北道を南下し撮影地に向かいます。まずは秋田自動車道北上西インター近くの横目川-岩沢の撮影地に向う事にします。かつてこの撮影地は国道からは見えるのにかなり遠回りしないと辿り着けずアクセスに難儀する場所でしたが、秋田自動車道の北上西インター開設のおかげでインターの取付道路が出来て意図も簡単に現地に到着出来る様になっていました。現地にはまだ夜が明けない4時前に到着し、三脚を立てて一休みです。
肝心のう9025レは北上04:43発で現地は5時ちょっと過ぎ位に通過と予測していました。この撮影地は、もし東の空がクリアなら線路の東側にある高い杉林で影になってしまうのですが、前日も下り゛あけぼの゛は遅れたので(北上を8時前に発車したとの事)、今日も若干の遅れを期待したものの、定時で列車はやって来ましたが、幸か不幸か影の処理に苦労する心配もいらない天気でした・・・泣
ところで本来,迂回列車は定期列車番号に平仮名の「う」の文字を冠して運転するのが正規ですが、近年は運行システムの導入で従来の慣習から逸脱するケースが出てきました。その最たる例がお召列車で本来は列車番号は付与されないはずなのにシステム入力上、便宜的に9001レや9002レとか列車番号が付与されるのが最近は当たり前の様になってしまっています。今回の迂回列車も9025レ(上りは9026レ)と定期列車番号と違う列車番号の頭に「う」を着けて運転するのには少し違和感を覚えました。
さて横目川-岩沢で露出の無さに悩みながら撮影した後は北上西インターー湯田インター間のみ秋田自動車道に乗り、列車を追い越します。数分先行する事が出来て湯田高原―黒沢で撮影する事が出来ました。さらにマチさんの腕の良い運転のおかげで諦めていた矢美津-相野々でも撮影が出来、計3カットも撮影が出来て、3カット共に天候には不満があるものの、とにかく眼に焼き付けるだけでも良い。とにかく現地に行かなくてはダメだ!と言う思いで出撃しただけに、少なくとも夜が明けきらない北上線で緑に見え隠れしながら赤い二つの機関車がブルーの客車を牽引する姿を見れただけで充分と納得し、この日の迂回列車撮影は終了としました。
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やはり北上線一番の有名撮影地ですので、かなり多くの鉄ちゃんがいらっしゃいました。追っかけで手持ち撮影なので少しレベルがずれています。翌日の13日はこの撮影地では天気も安定して薄雲が出ていたものの、かなり条件が良い状態で撮影出来たそうです。 11,08,12 矢美津-相野々 う9025 1/640 f4 +2/3補正 Canon EOS7D