台風が近づいてきて、
窓の外が気になっている。
天気予報では、何度も台風の進路を説明していて、
ずっと空の様子を眺めていた。
そのわりには昼間は青空が見えていて、
だんだん厚い雲が増えて、
黒い雲が混じるようになるころ、
風が強くなりだした。
この前の台風の影響がおさまらないうちに、
また大雨になりそうで、
今は静かな家の中という安全な場所にいる・・・
子どもの頃に住んでいた家は古くて、
台風のときは怖くて仕方がなかった。
夜になって風と雨ががガタガタを激しく窓をうちつけて、
家が飛んで行ってしまいそうで、
慌てて布団の中にもぐった。
でも、お父さんがいて守ってくれると思っていた。
お母さんは何度も寝ている私をのぞきに来て、
背中をぽんぽんと優しくたたいてくれた。
幸せなこども時代。
大きな手で守られているという感覚があった。
早く遠くへ行ってしまいますように。
こんな夜は、絵本を読んで安心したいと思ったりもしています。
ほりかわ